[渓流と湖の釣り/IN THE FIELD vol.6]苦労と苦悩の末には…

サクラマス釣り

 

迷走 ― サクラマスを求めて ―

岩手のサクラシーズンも終盤に差し掛かろうという5月の末。
サクラマスを釣れずにいた僕は昨年に引き続き今年も散々な状況…
最後にサクラマスを釣ってからほぼ2年経っていたが、せっかく掛けてもバラシの繰り返し…
負の連鎖にボヤキたくもなる。
釣れてない状況に迷走しながらこの日は身近な沿岸河川ではなく内陸部を流れる北上川へ。
サクラマス釣りとしては初めてとなるフィールドだが釣友に案内して貰うという事もあり期待と不安の入り混じった状態で足を運んだ。

 サクラマスタックル

 

念願の1本  ― サクラマスとの再会 ―

朝5時前に入川。
初めて立ったフィールドの感想はこの大きな河川で100キロ以上も遡上したサクラマスが釣れるのか?と言うものだった。
しかし大事な朝マズメに余計なことを考えている暇はない。
黙々と手を変え品を変えキャストを繰り返す。

釣り開始から1時間ほどして反応が!
しかし明らかな生命感の感触を手元に残しすぐにフックアウト…
負の連鎖が頭をよぎるが気持ちを切り替えて釣り下る。

その後刻々と過ぎる時間…
しかし釣友が見事なサクラマスを釣り上げた事もあり、思ったより集中力は切れていない。
初のフィールドだけに反応のあった状況、地形を思い返しながらの釣り。
反応のあった岩盤地帯のスリット… 当然根掛かりの恐怖はあるがこの時は釣りたい欲求の方が勝っていた。
一番使い慣れたシンキングミノーをダウンクロスぎみにキャストし、軽くアクションさせながら手前にある岩盤地帯に流し込んでいく…

そして遂に訪れた待望のヒット!
フッキング… 追いアワセ… ランディング… すべての動作に『頼む』と願いを込めたのは言うまでもない…

北上川の遡上サクラマス

サクラマスの銀鱗

手に収まった魚体は間違いなくサクラマス…
少し小柄ながら薄くピンク色の入った体色はとても美しい。

北上川と遡上マス

その綺麗な魚体を眺めながら嬉しさと安堵感に包まれる。
『粘り続けて良かった… 』
釣友と話をしながらの、苦労が報われる瞬間。

 

期待を込めて ― 再びのサクラマス ―

6月に入り出来る事ならもう一本… と言う気持ちで同水系へと向かう。
週半ばに降った雨で渇水状態から少し回復した状態… 充分期待は出来る。

不思議なもので1匹釣っているとこれだけ厳しい釣りでも『釣れる』… と言う気持ちをもって川に立てるもの。
そんな中この日の出会いは開始早々だった。
グンッという重みと共にリーリングしていた手が止まる。
途端に弧を描くロッドと手元に伝わる生命感!
一気に胸が高まり身体中に緊張が走るがこれも1匹釣っている余裕からだろうか…  落ち着いてやり取りが出来る。
寄せてきた銀色の魚体を確認すると、まだ元気の有り余ってる様子…
暴れられては走られ… しばし耐えてからランディングへと持ち込む。

ネットインのサクラマス

2匹目のサクラマス

 無事ネットに収まったその魚体をしばし眺める…
端正な顔つきを見ながら格好良く撮ってあげようと思う。

北上川の遡上サクラマス

今まで釣れなかったのが嘘のような今シーズン2本目。
釣れてくれた魚1匹1匹が忘れられない感動を僕の心の中に残してくれる。
しかし夢中になり写真を撮りながらも釣り人とは貪欲な物で…
今日はかなり高活性な日なのでは?と次の1匹を考える自分も居た。

結局その後はアタリもなく終了したわけだが通って釣り続けなければ釣れない… そんな思いがこの魚に執着させてくれる。
苦労と苦悩の末に釣れてくれた今年の2匹。
次釣れるのはいつになるのか…

更なる感動を求めてまた迷走する毎日となりそうです。

 

[タックル]
ロッド: エキスパートカスタム 820MX (イトウクラフト)
リール: イグジスト 2510PE-H (ダイワ)
ライン: PE1号
リーダー: ナイロン20lb
ルアー: ウッド85 14g (イトウクラフト)
               スピアヘッド・リュウキ80S (デュオ)
ネット: ランディングネット L  (ラフ・ストリーム)
               SVランディングネット (アングラーズ リパブリック)

[ロケーション] 北上川水系

臼澤拓プロフィール

PHOTO & TEXT

[IN THE FIELD] The third angler
臼澤 拓

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