【ロッド】
イトウクラフト・エキスパートカスタム ボロン EXC 510 ULX スタッグ
LENGTH (ft.): 5’1” LURE: 1.5 – 9.0g LINE: 2 – 7lb
イトウクラフト・エキスパートカスタム ボロン EXC 860 MX スタッグ
LENGTH (ft.): 8’6” LURE: 6.0 – 24.0g LINE: 6 – 18lb
【ランディングネット】
ハードストリームス・ランディングネット スタッグモデル4017STK
それぞれ、パーツの一部に、「スタッグ」があしらわれたモデルです。
正しい表現なら、「スタッグ・ホーン」(stag horn)となり、つまり、「鹿の角」ということです。
スタッグは、カスタムナイフの世界とか、ピストルやモデルガンのグリップなどで見ることのできる素材です。
特にナイフに関しては、アウトドアズマンにとって、とりわけ密接な関係にある道具でもあり、ブレイド鋼材への拘りもさることながら、趣向を凝らした様々な天然素材のハンドル材を用いた、数えきれないほどのモデルが存在しています。
ハンドル材としてのスタッグは、「獲物を狩る」とか、「戦利品」とか、そんなワイルドなイメージにも直結するテイストと、ナチュラリスト好みの深い味わいを同時に持ち合わすマテリアルでもあり、所有欲をくすぐられるには充分すぎる、とても魅力的なアイテムが多いです。
なかでも、インドの大鹿、「インディア・サンバースタッグ」は、希少な高級ハンドル材として知られていて、マニア垂涎といってもいいかもしれません。
当然ながら、天然の模様には同じものが無く、それぞれに美しく、丈夫なうえ、その凹凸は、滑り止めの役割をはたします。
そして、そんなナイフのテイストをフィッシングタックルへと応用したのが、イトウクラフトであり、その起源となったのが、トラウトロッドの、同社、エキスパートカスタムでした。
スタッグの持つ魅力がアングラーに受け入れられるのは、至極当然のことであったと思われます。
リールシートの素材として、スタッグを取り入れたことだけでも「お見事!」なわけですが、なんと、それだけに留まらず、コルクハンドルの上部には、もう一つの異なるエッセンスとして、これもナイフのハンドル材としては人気の高い、「レザーワッシャー」が数枚組み込まれるという拘りようでした。
ナイフの世界における、レザーワッシャーハンドルは、牛革をワッシャー状にしたものを積み重ねたもので、適度な吸湿により、手にシックリと馴染む快適なグリップ性能を有しますが、実は、“ザブン”と水に濡れると、今度は滑り、耐久性も落ちてくるのが難点です。
だから、ここに関してはテイスト重視。
濡れてしまうことが前提のロッドへの採用は、恐らく、かなり悩まれたのではないでしょうか?
スタッグ材の入手が困難なことで生産量も少なく、そのうえ、このタイプのエキスパートカスタム自体がオールドタックルと言ってもいいかもしれない、そんな状況のわけですから、事実、時折、中古品として市場で目にする同仕様のロッドにおいては、すでに「真っ黒」に変色したレザーワッシャーが付いていたりしますし、久々のスタッグモデルとして、2018年に限定生産されたEXC 510 USLでは、残念ながら、レザーワッシャーは廃止されてしまいました。
写真のエキスパートカスタムは、僕(編集部)が所有するもので、2本とも2008年以前の古いものなのですが、今も現役で、普通に出番のあるロッドです。
オフシーズンになると、レザーワッシャーには、防水と防汚のために、蜜蝋(みつろう)を温めてからコーティングして、コルクハンドルもアルコールで汚れをふき取るなどと、かなり気を使って手入れをしている愛竿であり、案外、美しい状態を保つことができています。
ところで僕がロッドを入手した、2008年当時の同社カタログを見てみると、スタッグの原産国には「メキシコ産」との記載があります。
また同時に、希少ゆえ、上質なスタッグ材の入手に苦労している旨の記述も見てとることができます。
ということで、僕のスタッグはメキシコ産で、「レッドディアのスタッグ・ホーンかな?」などと想像をしていました。
「どうやら以前のものには、”あの、” インド産、サンバースタッグが使用されていたことがあるようだ!」と気付いたのは、もっと、かなり後になって、そんな記述を同社のホームページなどで時々見かけるようになってからのことでした。
少しだけ、サンバースタッグのオーナーが羨ましくもありますが、どうでしょう、僕のスタッグだって、なかなかカッコいいと思いませんか?
そして、久々の朗報があったのが、2018年。
前述、2018年限定生産の、EXC 510 USLでは、あらためて、インド産、サンバースタッグが採用されています。
現在のエキスパートカスタムは、PEラインの使用を前提に、トラブル低減のためか、確か、全てのガイドを「Kガイド」にしていると思うのですが、当然ながら、以前のロッドでは、全てが「Yガイド」です。
僕の場合、5’1”のレングスは、常にナイロンラインを使用するので、特に問題ないですが、8’6”ロングロッドのほうは、PEラインを使用する機会も多く、「Yガイドであっても現役のロッド」として使用するうえでは、ライントラブルの回避が大前提です。
具体的には、10メートルものナイロン・ロングリーダーのシステムを組んで対応することで、ほぼトラブルのない、快適な釣りが実現できています。
このラインシステムに関しても、先日、原稿を仕上げて、ご紹介していますので、是非ご覧ください。
Kガイドでも、Yガイドでも、トラブルレス!
~ PE&10メートル・超ロング・ナイロンリーダーの勧め(編集部)~ はコチラ >>
ランディングネットのほうは、最近、中古を譲っていただいたもので、ハードストリームスのスタッグモデルです。スタッグ材は、「エゾシカ」のものだと思います。
オイルフィニッシュのウッドフレームにグラデーションカラーのクレモナのネットが編まれた、とても美しいハンドメイドです。
ハードストリームスのランディングネットは、以前“Origin”のネーミングで、T-クラフトから供給を受けていたと思いますが、2017年くらいだったか、現在のスタイルに変更されました。
同社ブランドのシンボルマークでもある、「シマフクロウ」の刻印がとてもカッコよく、もちろん、こちらもオフシーズンにはウッドオイルをきちんと塗布して、大切に愛用していく予定です。
今年6月、このランディングネットのデビュー戦を済ませました。
エキスパートカスタム EXC 860 MX スタッグとのコンビタックルでの利根川釣行で、こちらの様子もアップしています。是非、ご覧ください!
2025-6-23【拘りの“スタッグ&PEラインシステム”で、利根マスに挑戦して来ました。】より
(even)