本栖湖ブラウン&レインボートラウトのお話と、初釣り釣行記。レイクトラウトの話題も。

本栖湖のレインボートラウト

 

昔の本栖湖と、釣魚としてのブラウントラウト

本栖湖は、僕(編集部)にとって、原点と言っていい湖です。
父親にスピンキャスティングロッドとクローズドフェイスリールを買ってもらい、初めてルアーフィッシングというものにふれた湖。
もちろん、どのような魚が潜んでいたかなど、この時は知る由もなく、早速、ロッドを折って退散して来た、そんな湖です。

お時間のあるかたは、是非!↓↓
ルアー図鑑38: サラマンダー >>

それから、またしばらくの時間が過ぎて、”あの”、モンスターブラウンに熱狂する、とても寒い本栖湖の冬の、とても熱い時代が到来したのです。

 

Outdoor誌 本栖湖特集

Outdoor誌 ブラウントラウト特集
▲ Outdoor誌 第10号(1980年11月10日発行 山と渓谷社刊)より

 

本栖湖のブラウントラウトについてふれています。↓↓
ブラックバス用の記事として書きましたが、こちらもお時間のあるかたは、是非!
ブラックバスルアー図鑑36: マーベリック >>

ただ、漁協によるブラウントラウトの擁護など、とても期待できるような状況にはなく、恐らくは自然繁殖もありません。
「本栖湖のブラウントラウトに市民権を!」ブームを背景とした、そんな声も空しく、本栖湖のモンスター達は、次第にその影をひそめてしまうことになるのです。

僕のほうも本栖湖とはだんだん疎遠になり、職場の関係もあって、中禅寺湖や、東北の釣りがメインとなっていきました。

 

現在の本栖湖と、釣魚としてのニジマス

さて、現在の本栖湖は、すっかりブルーバックレインボーの湖として有名になりました。
(もちろん、ヒメマスもメジャーですね!)
ここのニジマスを始めて釣ったアングラーは、一瞬にして、その背中の透き通るようなブルーの美しさに心を奪われてしまうことになるわけで、かく言う僕もまたその一人であり、時々、本栖湖が無性に恋しくなってしまうのです。

 

本栖湖 洪庵キャンプ場のワンド

 

ここで少し、釣りの対象としてのニジマス(虹鱒)についてふれておきます。

第一に、「ルアーで簡単につれてしまう!」です。
あ、これ、放流直後のニジマスのお話です。
当然、ルアーセレクトは重要ですが、比較的、簡単に釣れてしまう。

本州におけるニジマスの釣りは、放流に頼っていて、ほぼ、自然繁殖はないと言われています。(あっても長くは生きられないようです。)
だから、「ネイティブレインボー」って奴は、基本、本州にはいないと言っていいと思います。
そして、抜かれることなく残るニジマスは、時間の経過とともに次第に知恵をつけ、釣り人の針をかいくぐり、成長していきます。
ほとんど野生に近い状態にまで成長した個体を、アングラーは、「ワイルドレインボー」とか、「スーパーレインボー」とか呼んで賞賛するのです。

賞賛される理由は、サイズもさることながら、何といってもその釣り味にあり、スピード、パワー、そしてジャンプと、どれをとっても、放流ニジの比ではありません。
そして、美しい。
ヒレの欠損のない、パーフェクトなワイルドレインボーであれば、なおのことです。

 

本栖湖のニジマス

 

ただし、今度は「とても難しい釣り」です。
湖で、そのようなレインボートラウトを釣ろうとした場合、一番難しいと感じるのは、その食性です。
よほど通い詰めた湖であれば別だと思われますが、僕のように「時々、無性に恋しくなる」程度では、なかなか、相手の気持ちを理解することはかないません。

釣り人の目線で表現するならば、「表層水温のチェック」が重要で、水温が変われば回遊する場所と深さが変わり、場所と深さが変われば、口にするエサまで変わることも。

そのうえ、ニジマスは偏食が激しく、時にその巨体に見合わない程小さな餌、例えばユスリカだけを食っているとか、驚くことに、巻貝をそのまま胃の中に詰め込んでいることだってあるのです。

トラウトの仲間の中でも小型のエサを好む傾向が顕著で、湖のレインボートラウトは、ルアーよりフライのほうが有利であると表現される場合もあります。

だから、「あくまでもルアーで、それも大型のレインボートラウトを」というのであれば、ベイトフィッシュを意識したミノーなどのルアーで、魚食性の強い個体を専門に狙うのことで、可能性は高まると思われます。

「早期の低水温期の夜明けに、ベイトフィッシュを追うような個体を狙う」とか、「ワカサギの産卵期における接岸のタイミングを狙う」などは、ルアーマンにとっても、比較的、理解しやすいシチュエーションです。

要するに、「釣れる時期に釣れる釣り方をしましょう。」といことになりますが、これがなかなか難しい。。

本当は、ひとつの湖に通い詰めて、その湖、固有の、「季節感と魚の食性」を理解してこそ、良い結果が得られるようになるはずなのです。
そして、その頃にはきっと、「秘密のポイント」も見つかっているに違いなく、これを持っているアングラーは、もしかすると、すでに名人級かもしれません。

残念ながら僕のような場合であれば、あくまで「知り得る限りの一般論と、比較的自信のある他の湖での経験則を頼りに、少しでも可能性を高めるための工夫をするしかない。」ということになります。

 

産卵期のワカサギ
▲産卵時期に接岸するワカサギ(芦ノ湖)

 

僕が意識している言葉があります。
「ルアーキャスティングで狙える湖のレインボートラウトは、その遊泳層が3~5メートルくらいまでの場合で、それより深くなると、極端に確率が下がってしまう。」です。
昔、あの、「西山徹さん」が、何かの本で書いていたと記憶していて、少し乱暴な解釈ではあるのですが、僕はあまりルアーを深く沈めません。

震災前の中禅寺湖でのことですが、まだワカサギが接岸しきらない早期、水深10メートルのボトムをバイト10グラムで探って釣った、50センチのレインボートラウトの胃の内容物には、11尾ものワカサギが入っていたことがあり、また、ネット動画とかでも、かなりの深場から上がって来る魚を見ることもありますので、もちろん例外はあると思います。

ただ、当然のことながら、季節が進行して、水温の上昇と共にニジマス自体が深場に移動してしまっていては、今度はいくら浅いレンジを狙ってみても、すでに、そこにニジマスはいないわけで、「深場で確率が下がる理由」とは、「深場に移動した魚は、キャスティングでは、探るのが難しくなるヨ!」ということだと思っています。

魚が浅場にいる時期こそ、湖のニジマス釣りには一番適したタイミングであり、この時、浅いレンジで勝負をするのであれば、何と言ってもそれが「手堅い策」となるのではないでしょうか。

 

2024年1月の本栖湖釣行記

本栖湖の釣り

 

ブルーバックレインボーを求めて1月の本栖湖へ、初釣りに行ってきました!

ワカサギの接岸はまだ先で、「湖産アユが “キー” かもしれない。」などと、漠然と考えることもありますが、これに関しては、良く分かりません。
(湖産アユの稚魚、氷魚(ひうお)の生態、誰か教えて~! 今度、琵琶湖の凄腕バスフィッシングガイド、うえんつさんに聞いてみようかな。)

 

稚鮎
▲ 稚アユ

 

ただ漫然とロッドを振り続けるだけのようにも見える、湖のトラウトフィッシングですが、たった一尾の魚にようやくたどり着くような一日の中で、僕のようなアングラーでも、それなりに色々なことを考えて過ごしています。ここからは、その全記録です。
色々と脱線しながら、それも、かなりの長文ですが、よろしくお願いします。

まずはポイントの選定です。

あからさまに釣れそうな地形の場所や、有名ポイントは、あえて避けることにしました。
集魚効果よりも集人効果が勝ると思われ、岸からのトラウトフィッシングにおいて、人が多くては魚がこちらへ近づいて来ないか、来ても警戒してしまうことが多く、僕はあまり好きではないからです。
なるべく、静かに釣りができそうで、かつ、釣れそうなポイントを選ぶ必要があると考えています。

そこは、うっかりすると見過ごしてしまいそうな場所でした。
もちろん、今までも完全にノーマークだった場所です。
けれど、水中には、馬の背状のハンプがあり、そこだけ、沖まで広くシャロ―なエリアを形成していたのです。
ここなら、朝一番、いい魚がベイトフィッシュを追うのではないか?と考えました。

今は、湖沼図をはじめ、ほしい情報はインターネットで簡単に収集できる便利な時代です。
実は、足を使ってポイントを探したわけではなく、そういうことです。
だから、事前にある程度、ポイントの目星はつけることができていました。
ちなみに、「あそこが釣れる、ここが釣れる」の情報は、あまり当てにはしていません。

次に日取りです。

1月の連休で、釣行候補日が2日ありました。
「どちらの日に釣りに行こうか。。?」またも、ネットで天気予報を調べます。

両日共に「晴れ」で、風速も「1~2メートル」と、同じでした。
ただ、風向きに関しては、ほぼ真逆になっていたので、今回選定したポイントに対し、おそらく向かい風が吹くであろうと考えられるほうの日にちで決めました。

そして迎えた、釣行当日。答え合わせの日です。

「夜明け前にきっちりと本栖湖に到着できたな。」そう思いながら湖岸の道を運転していると、そこでかなりの数の鹿の群れと遭遇しました。
「これだけいると、それなりに地元では問題になっているのだろうな。」などと考えていると、今度は昔、本栖湖は川尻のポイントで、野犬の群れと遭遇した際の不気味な記憶を思い出し、「とりあえず野犬でなくて良かった。なんとか無事、釣りが開始できそうだ。」と胸をなでおろしたのです。

ところが。。

本栖湖にはぐるりと一周、道路があり、南岸は冬季閉鎖で通行できないものの、比較的、車でのアクセスや、ポイント移動がしやすい湖です。
ただし、駐車スペースは限られます。
本日のお目当てのポイントに関して言えば、ポイントの正面付近には駐車スペースがありませんでした。
だから、少しやり過ごした場所に車を止めて、支度が済めば、今度は今来た道を歩きます。
まだ時間が早く、ここまで来るのに釣り人らしい車は見ていなかったので、きっと一番乗りだったと思います。

そして、ゆっくりと支度を始めていたときのことです。
遠くに車のヘッドライトが見えて、そして、そのまま、どうやら停車した様子。
停車していると思われる場所は、そう、あのポイントの辺りです。
手元明かりがチラチラと見えたので、釣り人の可能性は大でしょう。

僕が支度を済まし、ポイントまでの道路を歩いてみると、案の定、路上には何のはばかりもなく車が止めてあって、もう、そこに人はいませんでした。
鹿でも、野犬でもありません。この遭遇は、かなりの驚きです。

こちらの存在に気づき、慌ててポイントに入ったのかもしれません。
レアな出来事であってほしいものです。

水辺まで出てみると、狙いの場所には、チラチラ。。手元明かりが光っていました。
モラルの問題もさることながら、「やられた!」と思う気持ちは、正直、大きなものがありました。

でもこうなると、「早速、知る人ぞ知る、秘密のポイントなのでは!?」などと、お気楽に喜ぶ気持ちも、チラチラ。。

静かに釣りがしたいので、仕方なく、距離を取って夜明けを待ちます。
辺りが見えるようになるまでは、本当に今、自分が陣取っている場所でも良いのかどうか、気が気ではありません。
もっと心穏やかに初釣りの夜明けを待ちたかったことだけは確かです。

「ちょっとズレたかな!?」
少し明るくなってくると、僕の立ち位置はそんな場所で、シャロ―の範囲はそれほど広くはありませでした。
キャストしたルアーが、余裕でブレイクの向こう側まで飛んでいきそうな感じです。

ただ、逆をかえせば、ミノーで釣るなら、あまりロングキャストしても仕方のないようなポイントであり、必然的に小さく軽いルアーの使用も選択肢に入ってくると言い換えることができそうです。

いきなりのハプニングではありましたが、ブレてはダメです。
あくまでも早期の低水温期なら、夜明けには「シャロ―でベイトフィッシュを追う個体」を狙うのが作戦です。

表層水温は9℃もあり、「え、この時期、そんなにあっただろうか?」という違和感がありました。
水温が下がり切る前の不安定な状況であれば苦戦もあり得るかもしれないのですが、それでも、理想的な水温であることに違いはなく、期待が膨らみます。

しかし残念ながら、夜明けのベストタイムは、何事もなく過ぎてゆき、その間、ブレイクの少し先のあたりで2度のライズを見ただけとなりました。
もしも、狙い通りの場所でキャストできていたら、今頃、60センチのスーパーレインボーを手にしていたことでしょう!(なんて。)

僕をはさんで、「路上駐車マン」と思われる人物とは逆側の、少し遠くの小さな岬の先端でロッドを振っていたフライマンが去っていくのが見えたので、今度は少し魚の回遊も意識して、その場所まで釣り座を移動することに。

移動してすぐ、その小さな岬の側面に少しいい感じの風が当たり始め、キャストの射程距離内には、みるみるアブクが溜まり始めました。
もし、ザブザブと波打ち際の湖底が撹拌されて、濁りの帯が発生するほどになれば、これはもう、絶好のチャンスです。

風下の濁りには様々なエサが集まり、ベイトフィッシュが寄り、同時にトラウトの警戒が解け、スイッチが入るといわれています。
だから、向かい風は、いくらキャスティングしづらくても大歓迎なのです。

以前、50センチオーバーのブラウントラウトを目標に、足しげく中禅寺湖に通っていたことがあります。
当時、ワカサギの接岸時期に、岸から13センチの「ウッドベイト」をキャストしていれば、40センチ後半のブラウントラウトであれば、「ほぼ、釣れる。」そんなポイントがありました。

トラウトルアー図鑑9: ウッドベイト >>

間違いなく良いポイントだったわけですが、シーズン中、何度通っても、釣れてくるのは40センチ後半ばかり。
同じポイントばかりに通い始めて何年かが経ったある日、その日は大量の落ち葉が吹き寄せられるほどの向い風が吹き、大荒れでしたが、僕にとっては忘れられない一日となりました。

ウッドベイトをくわえて連続3度もの横っ飛びジャンプを見せた、まるでレインボーのような元気なブラウントラウトを、何とか打ち寄せる波に乗せて、“ザブン“。
陸に打ち上げられた魚体は、めでたく念願成就、ナイスコンディションの53センチでした。

マンネリ化したパターンフィッシングには、何か、バランスを崩す要因が必要で、「向い風と濁り」という「ピース」が加わるだけで、大きな変化が起こるのだと、この時、身をもって知ったのです。

もちろん、湖も、シーズンも、ターゲットも、全てが今回の釣りとは異なるわけですが、それでもやはり、向かい風にはテンションが上がります。

「もっと荒れろ、もっと荒れろ」と思うのですが、風速、1~2メートルという予報のわけですから、そうそううまくはいきません。
それでも、僕のモチベーションを維持するには十分な材料で、集中力を欠くことなく、確か、お昼くらいまでは粘ったと思います。

ただし、早朝にミノーイングから始めた今回の釣りも、手をかえ品をかえ、ルアーチェンジを繰り返し、小型のジグミノーの後は、スプーンに変わり。。
と、だんだん弱気な釣りになって来ていたことには違いありませんでした。

 

ジグミノー サージャー

 

だから、それでも釣れないとなると、今度はかなりの精神的ダメージが待っているわけで。。
「さて、これからどうしましょ?」

で、「とりあえず、腹ごしらえ!」となりましたので、ここで、午前の部、使用したルアー達のご紹介です。

結果の出ないルアーをご紹介したところで、あまり面白くはないですが、僕の場合は、次のような感じでした。
本栖湖に来ると、つい、ノスタルジーに浸ってしまうので、どうしても古いルアーに手が伸びがちですが、そこのところもご容赦を。

 

ロングキャスト不要なら、バルサのミノーはやはり素晴らしいです。
トラウトルアー図鑑5: パルスミノー >>

 

重心移動も、振ってみて、“カタカタ” 、“コトコト”と音のなるものは、なるべく避けています。
トラウトルアー図鑑15: K-TEN >>
(K-TEN KF105)

 

ニジマスにはフラットフィッシュ。でも、重量級なら、こちらです。
(ブラックバス用としてご紹介しています。)
ブラックバスルアー図鑑30: スイマースプーン >>

「フラットフィッシュは、かなり軽く、湖でのキャスティングとなると難しい。」
そこで、「金属製の、スイマースプーン!」と思ったのですが、フックハンガーが、“カチャカチャ”と音を立てるので、どうもうまくない感じです。


で、やっぱり、フラットフィッシュです。
ブラックバスルアー図鑑16: フラットフィッシュ >>
(フラットフィッシュF7 文中、ニジマスにも言及しています。)

フラットフィッシュの身上は、スローリトリーブでもしっかりと泳ぐことだと思います。
今回、この特性を生かしつつ、キャスティングでも使用可能な「シンキングフラットフィッシュ」のチューニングを思いつき、実際にも試してみたので、ご紹介します。↓↓
(ただし、釣れませんでしたが!!!)

ベリーに1個ぶら下がっているトレブルフックを、なるべくシャンクの長いシングルフック1本~2本に交換します。(今回は2個使いにしました。)
交換したフックのシャンクに、アイの根元の位置からコイルシンカー(コイルオモリ)を巻き付けていきます。
巻き終わりの位置は、ベンドの始まりあたりの、ほどほどの所までにしておきます。
コイルシンカーは、バックラッシュさせるように逆向きにねじって、巻き径を膨らませ、フックを通したあとで、ねじりなおして締め付けて固定します。
これで完成です。重心移動フラットフィッシュ
キャストしてみると、ボディーは風を受けて、先行するシンカーに引っ張られるかたちで飛んでいきます。
シンキングになっても、アクションに問題を感じないどころか、湖でのキャスティングなら、潜航深度を稼げる分、かえって好都合かもしれません。
スゴイ!!「簡易重心移動システム」だ―!!(自画自賛)
(いつか、釣ったる!!!)

 

本栖湖のブルーバックレインボーに実績あり。
トラウトルアー図鑑21: サージャー >>

 

スミスのプリズナー7グラム。初期タイプのアワビ貼りバージョン。
すみません、写真だけ。↓↓

スミス 初期タイプのプリズナー
▲ 初期タイプは、ワケありで姿を消してしまったのがとても残念。大好きなスプーンです。

 

他にも、パームスのアレキサンドラ、タックルハウス・ツインクルS、スミス・D-ダイレクト、スカジットデザインズ・ノーザンJ.B. (F) なども、少し使っています。

パームス・アレキサンドラ関連記事
トラウトアングラーの、ときどき、川日記。【信州ブラウントラウト開拓の旅 その③】>>
トラウトアングラーの、ときどき、川日記。【信州ブラウントラウト開拓の旅 その④】 >>

 

そして、午後の部。
「さて、これからどうしましょ?」でしたね。
腹ごしらえは済ませたものの、ホントに、「どうしましょ?」って感じ。

少し、他のポイントも見て回りましたが、やはり目ぼしい場所には、人・人。。
どうやら、ポイント移動は得策ではなさそうです。

とりあえずもう一度、水温を計ってみると、朝から1℃上がっての、10℃です。
しかし、ホントに良い水温!
これなら、すでに「ド・シャロ―」とはいかなくとも、一日中、ニジマスの回遊が見込めるのでは?
ということで、ここで案外あっさりと、午後の作戦が決定しました。

作戦は、いたってシンプル。
「一カ所で、ずぅ~と粘って、回遊待ち。」です。

しかし、今日はホントに暖かい。
考えてみると、ガイドの凍る時間帯も朝方のほんの少しの間だけで、僕のイメージする過酷な本栖湖とは、まるで違う。

水温といい、気温といい、やっぱりちょっと違和感がありましたが、それでも暖かいのはありがたいわけで、これが、スゴ~く寒いと、とてもじゃないけれど、一カ所で粘っている根気など、あっという間に奪われてしまいます。

狙うべき水深(タナではく、水深)は、1~3メートルに全額ベットの一点買いです。
ルアーも決まれば、もう、チェンジはナシです。

問題は、立ち位置と、ルアーの選択。。

先ず、どこで粘るか?です。
水深、1~3メートル程度のエリアで、かつ、ニジマスの回遊が望めそうな場所をピンポイントで探さなくてはなりません。
比較的、穏やかな日和が、今度はかえって好都合なわけで、いくら偏光グラスをしているとは言え、水面がザワついていては湖底の様子は知り得ません。

少し、時間を戻したところからのお話。。

日も少し高くなり始め、朝の時間帯もそろそろ終わりかな?と、思う頃には、例の「路上駐車マン」はと言うと、すでに、その姿がなくなっていました。
きっと、スーパー・ブルーバックレインボーと、60越えのワイルドレインボーを合わせて15尾、きっちりとリミットメイクして、更には追加で数匹ごまかしてキープし、何食わぬ顔で、去っていったにちがいないのです。
(うっそ~!なんてポイントだ-!って、路上駐車マンさん、敵意むき出しで、ほんのちょっとだけ、ごめんなさい。)

あれから今現在の時間まで、新たにそのポイントへと入るアングラーはなく、周辺は静かなものです。
このハンプに絡む地形のどこかに、この後、「杭」となる立ち位置を見いだせることを期待しつつ、湖底を凝視しながら、周辺の岸辺を歩きます。

そして「見つけました!」

そこは、水中に存在する、その馬の背状のハンプの「裾野」にあたる位置で、沖から急激に岸辺へと接近するブレイクラインが、今度は平坦なショアライン側のブレイクラインへと続く、まさにその繋ぎ目にあたる位置でした。
そして、何と言っても、その繋ぎ目の、繋がり方の角度がとても極端で、鋭角な水中ワンドとでも言いましょうか、急カーブするようにその向きを変えていたのです。

ちょうど、やり投げ競技のフィールドのように、角度にして、ほぼ30度くらいに開いていく範囲だけが、なだらかに沖合まで伸びる、すり鉢状の深みです。
そして、そのなだらかな深みは、僕の立ち位置から数メートル先で一度、軽く落ち込み、そこでの水深は1~2メートルくらい。沖合では恐らく、水深3~4メートル、といった感じに思われました。

まさに理想的。「ここしかない!」と、即決です。

もし、事前に確認していた湖沼図に、かなり浅い水深までの記載があったとすれば、「水深ライン(等深線)が、急な溝のようになって岸へと伸びている所」として、容易に目にとまっていたはずの地形です。
しかし、実際の等深線は、最浅でも5メートルからなので、やはり最後は足で探さない限り、この地形の変化には気づけなかったということになります。

次の問題はルアーの選択ですが、これは本当に悩んでしまいました。
これまでかなり色々と試して、すでに、「やりきった感」があります。
残された可能性は何なのか。。??

そうそう、「マンネリ化したパターンフィッシングには、何か、バランスを崩す要因が必要」でした。
恐らく、これだけやってダメとなると、もう、ベイトフィッシュを軸にした戦略一辺倒では、無理があるのかもしれません。
変化を起こすための「ピース」はいったい何なのか。。??

そして思いついたのは、「全くタイプの違うルアーを使ってみよう!」ということ。
「もしかして、食性の異なる個体を狙ってみるほうが良いのかも。」ということでした。

「それでは、一体、何を食っている個体を狙うのか?」と言えば、正直言って、見当がつきませんでしたが、どちらにしても、「ベイトフィッシュではない」ことが前提なので、強弱で言えば、「もっと弱いタイプ」のルアーの選択が必要であるには違いないと思いました。

それから、ちょっと誤解を招くような、乱暴な表現ではありますが、「とりあえず、ニジマスには、小さなルアーさえ使っておけば、ただそれだけでも確率は上がる。」と言えます。

ただ、「弱くて、小さくて、スローリトリーブが可能で、沖までキャストできて、水深1~2メートルくらいのところをレンジキープできて。。」
そんな都合のいいルアーなんて、あるはずが。。

「ありました!」

「アブ・ドロッペン 12グラム」

それは、今回の釣行に向け、自宅を出発する直前のこと。
当然、釣り支度だってすでに終わっていたのだけれど、ふと、壁のコルクボードに無造作に引っ掛けてあった、このドロッペンに「たまたま」目が行き、ほぼ無意識に近い感覚で、なんとなく手が伸び、わざわざ後からルアーウォレットへと追加した、本日、たった一個だけ持ち合わせていた「スピナー」。

ただ、これを結んでしまったら、「チビでもいいから、とにかく一匹釣れてヨ!」
そんなイメージ。そんな行動。。?

「ニジマスにはスピナーが効く」ということは知ってはいても、僕の場合、昔の芦ノ湖で、キャストした「セルタ」にブラックバスのヒットがあって以来、なんとなく、「湖でスピナー」という感覚自体が、なくなっていました。

トラウトルアー図鑑26: ドロッペン >>
(渓流用としてご紹介しています。)

トラウトルアー図鑑37: セルタ >>
(渓流用としてご紹介しています。)

でも恐らく今、これは、「良い選択」です。
天の導きと信じて、使用することに決めました。

ボールベアリング入りのスイベルを介してドロッペンを繋いだので、ラインの撚れ対策も万全。
あとは、この30度のエリアへ向けて、キープキャストあるのみです。

ドロッペンの欠点は、リーリング移行後の立ち上がりが悪いこと。
ブレードの初動回転のきっかけがつくりにくいので、渓流などのアップストリームの釣りでは、とりわけ、ブレードが水を捉えづらくなります。

しかしながら、今回、このスピナーだけを繰りしキャストし続けて、あらためて感じることは、「とても優れたスピナーである。」ということ。

あくまで僕の想像ですが、かなり重量級なものまで、豊富にラインナップされていることからしても、もしかすると、このドロッペンというスピナーは、「もともと止水域での使用を想定して設計されたのでは?」とさえ、思えてきます。

ラインテンションをキープしたままのカーブ・フォールであれば、「リーリング移行時の初動において、ブレードが回転していない」ということは起きにくいです。

そして、一度ブレードが回転を始めてしまえば、おそらくエッジ部の凹凸で表面積をアップさせていることが寄与していると思われますが、今度は、かなりしっかりとした引きごこちで、はっきりとブレードの回転を手元に感じることができます。
ラインテンションを抜かない限り、スローリトリーブが容易であると同時に、浮き上がりにくく、レンジキープもしやすいです。

渓流のアップストリームの釣りでは、ブレードの回転によって発生する揚力に対して、沈下しようとする重さが勝り、「使いにくい」と感じることすらありますが、こと止水域での使用においては、重さと、引き抵抗のバランスがとてもいいのです。

そして迎えた、3:30 PM。
早いもので、すでに太陽は山並みへと姿を隠し、辺りの雰囲気がグッと良くなり始めた頃、ようやく、待望のヒットです!

先にも少々ふれたとおり、狙っていた場所の地形はと言うと、やり投げの競技エリアのような尖った角度で沖から切れ込んで入ってくる、溝のような深みです。
なので、その溝の幅は、ルアーが手前へと近づいて来るにつれて次第にその範囲を狭め、僕の立ち位置から数メートル先にあるブレイクのあたりで最も狭まり、同時にそのブレイクで、2メートルくらいあった水深が1メートルくらいにまで変化します。
そしてその後は、足元の波打ち際へと、なだらかにつながっています。

その時も、それまでと同様、ドロッペンのブレードの回転を保つことができるギリギリのスピードをキープしつつ、2メートルにみたない程度のレンジをゆっくりと引いていたのですが、ブレイク周辺のボトムなどにスピナーブレードがコンタクトしてしまうと、ルアーは一気にバランスを崩してテンションが抜けるため、「そろそろレンジを上げないと」と思っていたくらいの、そんな時でした。

明確なアタリがあって、アワセを入れると、愛竿「スティンガー・ディープ」が、気持ち良く絞り込まれ、途端に水中がギラギラと輝き始めました。

まさに核心部でのヒットです。
ただ、魚との距離は近く、ネットインできる深さまでウェーディングしてしまうと、更に距離をつめてしまい、「ジャンプ一発!さようなら~」となりそうです。

なるべくラインの巻き取りを避け、後ずさりしながら岸辺へと魚を誘導して、無事にキャッチすることができました。

残念ながらブルーバックではなかったのですが、ハラハラと鱗が舞い散る、美しい銀化の魚体で、これはこれで、激しく感動してしまいました。

 

本栖湖のレインボートラウト

 

2024年、初釣りはこれで完了。
ランガンの釣りで、良く釣れるポイントを探し当て、後から、「何故、そのポイントが優れているのか?」と、あれこれ考えていくのも楽しいですが、今回のように、「ここなら!」と思える場所で結果が出ると、なんとなく「自分で釣った感」があって、これもとても気分がいいです。
あとは、「たまたまじゃね?説」を払拭するために、しばらくはこのポイントに通うことになるかもしれません。

「例のフラットフィッシュ」も、もう少し試してみたいし、今、「小型のスローシンキング・ペンシルのようなルアーでデッド・スロー」というのも面白いのでは?と考えています。
ということで、今年の本栖湖、まだまだ楽しめそうです。

あ、「今年の本栖湖」といえば、今年、本栖湖には変化がありそうです。
本栖湖の今後が少し気にかかります。

 

これからの本栖湖

昔、ブラウン。今、レインボー。
これからは、レイクトラウト。
モンスタートラウトの湖が復活です。

なんて。
それこそ昔々だったら、「スゴイぞ!」なんて喜ぶ自分がいたかもしれません。
でも、今は、とっくに、そういう時代ではないですね。
今、本栖湖のレイクトラウトが問題になっています。

本栖湖には、以前から「大イワナ伝説?」みたいなものもあったから、もし、その正体がレイクトラウトだったとするならば、今にはじまった話ではないのかもしれませんが、とにかく、昨年2023年の調査では、僕が知る限り、175匹が確認されて、自然繁殖と思われる個体もあるとのことでした。
魚体に発信機を付けて産卵場所を特定したりと、今年から、本格的な駆除作業が始まるそうです。

本栖湖にレイクトラウトが、いつ、どのような経緯で入ったのか?
日光の中禅寺湖から、「わざわざ」なのでしょうから、恐ろしくなります。
震災以降の中禅寺湖では、放射線量の関係で、魚類の持ち出し自体が禁止されたりしていたので、それ以前の話なのか、それとも、そんな規制すら破られたのか。。

ところで、昨年2023年の中禅寺湖はと言うと、シーズン開幕より、レイクトラウトの持ち出し規制が解除となっています。
「もう、食べても大丈夫!」ということなので、僕らとしては、食べるか、魚拓や剥製にするか、といったところでしょう。

「生きたままの持ち出しは厳禁!」となっているところが、重大かつ、重要なポイントです。

「中禅寺湖にしか生息しないはずの外来魚が、本栖湖で釣り上げられた!」と、大騒ぎになったのが、2022年の11月ですから、中禅寺湖側にしても、レイクトラウトの持ち出し規制解除に踏み切るにあたっては、その骨子の決定に大きく影響を受けたと思われます。

レイクトラウトの剥製制作に関する記事です。震災後の魚類持ち出し規制にもふれています。お時間のあるかたは、是非!↓↓
魚類剥製の作り方 >>

本栖湖も、スモールマウスバスの完全駆除が成功したと思ったら、今度はレイクの駆除に翻弄されてしまうというのでは、とてもしんどい話です。
漁協のかただって、本来であれば、もっと前向きな活動がしたいのではないでしょうか。

バスにせよ、ブラウントラウトにせよ、もちろん、レイクトラウトにしても、大好きな魚達が、「害魚、害魚」と攻め立てられるのは、釣り人として、とても辛いこと。
あと、地元住民とのトラブルだとか、そんな話を聞くのも辛い。。

月並みな言葉ですが、一人ひとりのモラルが「本栖湖の未来」や、「日本の釣りの未来」にとって、これから益々重要になってくるのは、間違いないでしょう。

それから、もう一つ。
本栖湖は、どうやら、今年2024年から、「ワカサギ」を漁業権の対象魚種から除外することを決めたようです。
どういうことかと言うと、「もう、ワカサギ、放流しない。」です。
(過去にもワカサギの放流がなかった時期はありますが、漁業権の免許更新が10年に一度なので、基本、この先の10年間、ワカサギの放流は期待できないものと思われます。)

どうやらこの決定には色々な要因が絡んでいるようなのですが、「レイクトラウト駆除のための予算を捻出しなきゃ!」とか、「どうせワカサギ放流しても、レイクの食害に遭うだけだし~。」など、そんな意見もあったのではないか?と、想像してしまいます。

冒頭、ニジマスの食性に関して、「その湖、固有の食性」というお話をしましたが、このような事象に遭遇してしまうと、いかに、“ネイティブ” だとか “ワイルド” だとか、そんな言葉を並べてみても、所詮は人間の営み、善行とか愚行とか、そのようなものの狭間にあるのが、今の魚達なのだと思い知らされます。

さまざまな本栖湖の「変化」は、もしかすると、本栖湖固有のニジマスの食性や個性すら、変えてしまうかもしれません。

「かっての本栖湖には、その背中の透き通るようなブルーの美しさで、多くのアングラー達を魅了した、“ブルーバックレインボー”と呼ばれた、ニジマスが生息していたんだよ。」

そんな昔話は、決して聞きたくはないのです。
これからもずっと、「時々、無性に恋しくなってしまう湖」であり続けてほしいと思うのです。

(even)

 

おまけ

初釣り釣行の帰り道、高速のインターチェンジに向かう途中のコンビニで、確か、「アルコール度高め。運転NG!」とか書かれた、手書きの張り紙が目にとまり、つい、リアクションバイトしてしまったプチお土産があるので、最後にこちらもご紹介。
(ごめんなさい!プレゼント企画ではありませんのであしからず!)

富士北麓蒸留所クラフトハイボールチョコボンボン
▲ 富士河口湖町の、「富士北麓蒸留所」が兵庫県のお菓子メーカーとコラボした、その名も「富士北麓蒸留所クラフトハイボールチョコボンボン」アルコール度数 3.7%
今年2024年の1月に発売が開始されたばかりのようです。
期間限定・数量限定らしいので、気になるかたは、お早目が良いかも!

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