- 2017-9-4
- 渓流と湖の釣り/IN THE FIELD
- 渓流, Rough Stream, イワナ, ヤマメ
夏旅、夏のヤマメを探して… 2017
渓流に良いとされる7月の時期を、あまり釣りに出かけることができずにいた8月のある日、ようやくバタバタとした事が一段落したこともあり、旅に出ることにした。
日程的にはそんなに余裕があるわけではないけれど、ようやくやってきた機会を無駄にしたくない。
最近では、自分が現在住む場所も含めて、恐ろしいほど短時間に集中してピンポイントで雨が降ってしまったり、以前に比べたら土砂災害なども異様な程に増えた感覚がある。
そういった事も含めて、釣りや旅をするにあたって最低限の自分としてできる事…
出発予定の週あたまから、テレビやインターネットの天気を毎日数回ずつチェックしていると、週半ばにどうやら台風が日本列島をあまりよろしくないタイミングで縦断するようだった。
場合によっては、延期や今回は諦めることも視野に入れ、それでも、西から東までいくつか候補の県や河川、場所などにどれだけの雨量があったかと水位を見ながら、そして最終的には前日まで雨雲の動きと予報、降水量を気にしながらなんとか出かけることになった場所は今住んでいる場所からはそれほど遠くない東の河川だった。
雨の累積もそれほどではないし、その後の天気もそこまで崩れないようだ。
訪れたことのない河川もいくつかあるし、楽しみもある。
初日のメインリバーと考えている河川はちょうど良い水位になるであろうという目論見のもと、雨の下道を走りながら明け方には現地へと到着することができた。
およそ1か月ぶりの渓流釣りではあったけれど、忙しくしていたせいか、そんなに時間が経っている気もしていない。
川沿いをずっと走っている道から車越しで流れに目をやりながら車両通行止めの標識とゲートのある場所まで来てしまったけれど、すでにゲート前の駐車スペースには、釣りなのかはわからないが数台の車が停まっている。
いくつか良さそうな場所をみていたこともあり、考えた末、自分は来た道をUターンして、ゲートよりかなり下流へと入ってみることにした。
自然と夏のヤマメにも期待が高まっていた。
きっと上流に行けばイワナが多くなるだろうと勝手に決めつけていたのもあるけれど、来た道の目星をつけていたポイントには特に釣り人と思われるような車もなく、すんなりと駐車して釣りを開始することができた。
既に早朝とは呼べない時間になっていたが、時期的なこともあり東の河川を思わせるようなメジロアブもかなり出ているようだ。
そういえば、昨年はこの時期に釣りができていなかった。
今年、この時期に釣りができているのはそれだけでも幸せな事なのだと感謝しながらミノーをキャスト!
前日までに加えて、昨夜も降った雨が流れに適度な水流と力を加えている。
その流れに乗せてくると、予想に反して最初に出て来てくれた渓流魚はヤマメではなくイワナであった。
贅沢な事なのかもしれないけれど、少しだけ残念な気持ちを引きずりながら数百メートル歩くうちに、もう二匹ほどイワナを追加。
もしかしてイワナがメインの河川なのだろうか?
たまたまポイント的にイワナが付きやすい場所だけなのかもしれないし、自分の頭の中で色々と考察をしながら先に進んでいく。
もしイワナが釣れ続くようであれば、完全にヤマメモードになってしまっている自分としては、河川を変えるか、もっと下流へと場所を移動するか、限られた時間の中でなるべく早く決断をしていかなければならない。
幸いにも次に見えていた、流れの速い瀬の両サイドを攻めてみたところ、素晴らしい夏を感じさせてくれるヤマメが出てくれた。
無事にキャッチできて、撮影をしているとメジロアブが煩わしい。
そこそこに写真を撮り、リリースして歩き出す。
さっきまでのイワナが連発してきた事が嘘のようにヤマメが次々と姿を見せてくれるようになった。
面くらってしまうほど、イワナの反応は薄くなった。
こうしてそれなりの距離を歩きながらその他にも良いヤマメとの出会いをルアーチェンジしながら果たす事ができ、夏のヤマメをいくつも堪能させてもらいながら、この日は予定していた時間を使い果たしてしまった。
それでも夕方、たまたま移動してきた場所から確認できた河川を更に小一時間ほど釣りさせてもらうと、またいくつかのヤマメを釣る事ができた。
県を跨いで移動した後、行っておきたかった場所でヤマメやイワナを釣り、
昨年は来ることができなかったもう一つの懐かしい河川でも良いヤマメとイワナが来てくれた。
また、自分なりの目標設定もなんとかクリアしつつ先へと進む。
よくよく考えてみれば、今回の旅を終えたらまた今期中に釣りに来れるという保証もない。
もう一度、やらなければならない課題を考えてみる。
今期最後の渓流釣りになる可能性もあるから、やっておきたいことは全て今回、残りの時間へと詰め込む事にした。
次の河川を訪れると、厳しいながらも夏ヤマメ釣りと呼ぶに相応しいイメージ通りの状況の中、時折、ガッチリと筋肉質の素晴らしいプロポーションをしたヤマメが釣れてくれた。
気を良くしてルアーローテーションし、イワナも来てくれた。
また、支流では様々なルアーを試させてもらう。
そして最終的に移動してきた場所では久々に何とも楽しい釣りも展開できた。
この旅の最後に訪れたフィールドは、90パーセント以上をヤマメが占めるくらいの渓流であったが、いくつものルアーを変えながらポイント選択をし、それぞれのヤマメに対して自分の思い描くシチュエーションと、そこでのルアーの役割を考えつつ、選んだルアーを投入しながら、満ち足りた時間を過ごさせてもらうことができた。
(こちらの件に関してはまた別の機会を設けて紹介できたら幸甚です。)
濁りも差し詰め、清らかな水の流れの中をゆくにすぎぬもの。
白から茶色、緑や青みがかった床色や、木々の柳緑と曇り空や雨の光。
流れと共にあるそれらの全てに感謝したい。
そして、残りのシーズンにまた足を運ぶことはできるのだろうかという不安を抱えながらも、たとえ少しずつでも前に進んでいる自分を肯定しつつ、一歩一歩やっていくしかないのだと気付く。
どこか渓流釣りに人生と同じ部分が見え隠れするような気がした…
そんな今回の夏旅だった。
タックル
ロッド:アングラーズリパブリック・シルファー 53UL
リール:アブ・カーディナル 3R
ライン:ヤマトヨテグス・サイトエディション 6lb
ルアー:D-3カスタム・ダイビングダリア、バックス(TMバッタ、RSイワナ)、他
カメラ
ペンタックス・WG5
ペンタックス・K3
レンズ
SIGMA 28F1.8EX DG ASL MACRO
ロケーション
東日本の河川 夏