- 2016-4-18
- 渓流と湖の釣り/IN THE FIELD
- 渓流, Rough Stream, アマゴ, サツキマス
アマゴ と サツキマス
2016年も、大多数の渓流が解禁を迎えた。
多くのアングラー達が今や遅しと待ちわびた季節の到来。
私も例外になく、中部地方から東海地方や、関東甲信越などに春を探して出掛けることができていた。
特に東海地方の河川の中には、3月の声を聞くと、「どうしても行っておかなければ」 という思いに駆られ始める “ある”場所がある。
今年もその場所に行けたのは私にとって、とても幸せなこと。
現地に向かう前夜の高速道路で色々な思い出をフラッシュバックさせる。
数時間のドライブで現地に到着、そして当時の “あの” 記憶にも想いを馳せる。
「嫌なことから素晴らしいことまで全て帳消しにして、また新たな気持ちで渓流ルアーフィッシングと向き合いたい。」
少し複雑な思いを込めた自分だけのルーティーンとでも言うべきか…
今年は今年。良くも悪くも渓流を楽しもう。
そう思いながら淡い桃色を横目にキャストを開始した。
昨年は友人とここを訪れたな…とか、今年は相方とここに来れた…とか、そんな事が頭を過る。
自分なりに歳をとったのかもしれない。
そして、思い出の “その” 場所を過ぎた頃、ようやく魚は顔を出してくれた。
その場所を移動しながら、少しでも自分の視野を広げて行くために、足掻く。
今年もここを訪れるのは自分の大切な感覚や意識、想い等を呼び覚ますため。
錆びたアマゴは今日も変わらずに美しく、釣りに華をそえてくれていた。
陽もすっかり上がり、そろそろ切り上げてランチでも行こうかと思っていたところで、目前に良い淵が現れた。
ここが今日の最終ポイントと決めて、ルアーを投じた矢先、ルアー後方に今までとは違う魚影が追尾してきた。
おそらく、一瞬の出来事ではあるが、妙に長く感じられた。
ルアーをゆっくりと追いかけるブルーバックな影は、優に今まで相手をしてくれていたアマゴの倍ほどの大きさに見えた。
私は無意識でルアーを魚影に同調させて、機会を伺うようにしていたかもしれない。
ルアーのスピードを少し遅くしてみると、一度ミスバイト。
そこでわざと速度を上げてヒットに持ち込む事ができた。
瞬時にドラグが鳴り響き、激しいヘッドシェイクで淵のもといた場所へと帰ろうとする銀色の魚体を往なしながら、なんとか最後は強引にランディングネットへと導く。
足場が悪く、ウロウロと撮影場所を探すも、なかなか良いところが見当たらず…
早めにリリースしてあげたいのもあり、ひとまず手持ちで魚体を支えて2枚ほど写真を撮る。
そして時間の都合もあり、そのままリリース。
ヒットからランディング、リリースまでの一部始終を見ていた相方が、上から写真を撮ってくれていたが、残念ながらこちらもやや距離があり、なかなか思うようにはいかなかったようだ。
退渓する私に一言、「かなりの大きさだったね!ニジマスかと思った!」と一言。
確かに、私もランディングするまではブルーバックの背中や、その場の渓流にそぐわないサイズから、ニジマスか?と半信半疑だった。
だだ、この支流でニジマスを釣ったという話は耳にしたことはなく、私自身も今のところ釣った事はない。
そしてランディングと同時に、アマゴ?と気付き、更には魚体の特徴や、魚のサイズ、釣れた場所から良く良く考えて、サツキマスではないかと疑い始めた。
翌日、私達はこの地に詳しい釣友と釣りをする約束をしていた。
画像を見せて、この事を彼に話すと、やはりサツキマスの可能性が高いとの事だった。
アマゴであれば40センチクラスのスーパーアマゴ、サツキマスなら美しく儚い。
どちらにしても素晴らしい魚であるのに違いない。
幸運な出来事であった。
[タックル]
ロッド:アングラーズリパブリック、エゲリア
リール:カーディナル3R、ヘッジホッグカスタム
ライン:ヤマトヨテグス、ファメルトラウトサイトエディション6ポンド
ルアー:5センチクラス
フック:レベルフィッシング、ミノーブラック#3
[カメラ]
ペンタックス
WG-3
K-50+タムロン・ズームレンズ
K-3+シグマ・ズームレンズ
[ロケーション] 東海地方 3月