共に歩けば [渓流と湖の釣り/IN THE FIELD vol.30]

天竜川水系のアマゴ釣り

共に歩けば

今年のGWは日の並びも良く最大で10連休に成ると言われていました。
製造業に携わる僕は今までそんな大型連休を頂いた事等無く、度々ニュースの中で連休の予定を楽しそうに喋る人達を羨ましく思うばかりでありました。

案の定、僕にGWはやってきませんでした。
仕事が有るお陰で休日には釣りに行けるのだと無理矢理自分を納得させて勤務に当たっていました。

ですが、思いがけない代休というご褒美を授かったのです。
世間の大型連休には程遠いですが、早速2日間の釣行計画を立てたのでありました。

折角なので4足歩行の相棒も誘う事に。
「予定は空いているかい?」と尋ねてみれば「その日なら大丈夫だよ」と、そんな会話が有った様な無かった様な…。
とにかく一緒に連れて行く事に決めたのでした。

 

愛犬と一緒にフィッシング

 

夜の内から車を走らせて目的地に着いたのは午前3時頃だったでしょうか。
月明りの優しい光に包まれながら眠りに付いたのをおぼろげながら覚えています。

日の出前の渓流

 

そして、空の主役が月から太陽へと代わった頃には相棒の朝の散歩を済ませ河原に立つことが出来ました。
朝日が照らし出したばかりのフレッシュな川にルアーを投げ込んでいくと、次々と渓魚からの反応が有りました。

千曲川水系の渓流ルアーフィッシング

 

千曲川水系のイワナ釣り渓魚

 

夢中に成って釣り上がって行くと河原の隅っこに小鹿が眠たそうに座っていました。
これはシャッターチャンスと思いカメラを向けると、一目散に逃げて行ってしまいました。

渓流釣りで見かけた野生の鹿

あまり納得のいく写真が撮れずに「捕って喰うつもりは無かったんだけどな」とぼやきながらその場を後にしたのでした。

 

この日は熱く成るという予報を受けて、車で待つ相棒に気を遣い小まめに様子を見に戻り、その都度移動を繰り返しました。

日陰と成るスペースを探しわざわざ入渓地点まで長い距離を歩く羽目になるのですが、その分色々なシチュエーションのポイントを撃つ事が出来る為、先程まではフローティングミノー、今度は8gのヘビーシンキングという具合に多彩なバリエーションの釣りを楽しむ事が出来ました。

 

渓流ミノーの釣り

 

この日最後と決めたポイントでは、石の裏に出来た小さなスポットから良型と呼べるイワナが一度だけ反応してくれたのですが、ルアーを追った視線の先の僕と目が合ってしまい一目散に巣穴に戻って行きました。

それなりのサイズだっただけに、「捕って喰うつもりは無かったんだけどなぁ」と本日2度目のぼやきが出たところで終了といたしました。

屋外での夜を一人きりで過ごすのは心細かったりするのですが、相棒がいるとちょっとばかり安心感が生まれます。

 

渓流で一夜を明かす

月明りに照らされた川を眺めながら、「明日は何処へ行こうか?」と相談を投げかけたりしましたが、返って来たのは大きな欠伸がひとつ。
朝からはしゃいで、ポイント移動の度に知らない土地を散歩して疲れていたのでしょう。
少し早い時間ではありましたが、車に敷いた寝袋にくるまっているといつの間にか僕も眠りに落ちていたのでありました。

 

昨晩は早くに寝たものだから朝もバッチリ日の出前から目を覚まし行動を始める事が出来ました。
峠道を行く途中、朝焼けも拝む事が出来、最高の気分で一日のスタートと成りました。

千曲川水系、夜明けの渓流

 

日陰の駐車スペースを見つけるのに苦労したけれど、この日の川は魚影も濃く難なくアマゴをキャッチする事が出来ました。

 

ランディングネットとアマゴ

 

昨日の川ではヒラキに魚が出ていたのに対し、今日の川は落ち込みの白泡直下でのバイトが多いと感じました。
陽射しが強く魚達も暑さを凌ぎたかったのかも知れません。

午前中も早い段階で所謂「ツ抜け」と成った為、2つの開発品のサンプルルアーを試すのに時間を割く事が出来ました。

ひとつは其れなりの合格点を得ていて、もうひとつは改良の余地有りと判断する事と致しました。

 

渓流ルアーフィッシングでアマゴ

 

その後も数は伸びるも大きな魚に出会う事は叶わず、二日間の釣行の終わりの時がやってきました。
車に戻り、帰路に付く前の最後のお散歩をすることにします。

林道から川を見下ろすと今釣りをした場所が魅力的に見え、もう一度やれば釣れそうな気にさせられました。
でも、気持ち良さそうに歩く相棒を見てふと気が付いたのです。

一緒に過ごすこの時間も大事だと。

渓には初夏の爽快な風が吹き抜けて、日頃生活している空間には無い心地良さを味あわせてくれました。
家ではお留守番の多い相棒も、この二日間の小さな旅で同じ心地良さを感じてくれたのならば幸いであります。

 

ルアーフィッシング犬

 

タックル

ロッド:ジャクソン カワセミラプソディー512ULL
リール:シマノ ヴァンキッシュC2000HGS
ライン:YGKよつあみ G-soul PE X-3 0.4号
リーダー:YGKよつあみ N-walkerナイロン 4lb.
ルアー:ジャクソン エディー3g 奏50/60 トラウトチューンHW アーティストFR70 (トラウトチューン フローティング)(T-ピボット シンキング)
*( )はプロトタイプ

撮影機材
カメラ:Nikon D5200
レンズ:SIGMA 18~250mm

ロケーション
天竜川水系

木下 進二朗

PHOTO & TEXT

[IN THE FIELD] The second angler
木下 進二朗

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