ブラックバスルアー図鑑57: ポップX

メガバスのポッパーで、ポップXです。凝った造形で、ブラックバスにソックリです。

メガバス ポップX

コイツの登場にはド肝を抜かれました。
レーベルのポップRに代表される様なタイイングフック付きの小型のポッパー。

ポッパーは、その特性上、水を受けるカップがついているから、これが、バスの口に見える。。
それは、そう。
そういうインスピレーションのもと、色々なルアーが生産されました。
でも、それらの多くは、バスをモチーフにしたパロディー?って感じる様なモノだった。
良く言えば、ユニーク、オモシロイ。。悪く言えば、チープ、オモチャっぽい。。

もっと、スゴイのが出来そうなものだけれど。。
そういう感覚の持ち主は大勢いた。 そう思います。

でも、誰もやらなかった。。それまでは。

ポップXには伊東由樹氏の情熱と愛があります。とことん拘り抜いている。
ご存知の方も多いと思いますが、このルアーの造形は氏の手彫りによるもの。
だから、左右でギルのスジ彫りとかの形が異なります。

今の時代であれば、もしくは今のメガバスの技術力なら、形状はデータ化され、完璧なシンメトリーとなるはずだし、造形自体、もっと楽だったでしょう。

だから、僕的には、“汗を感じるトップウォータープラグ” です。大好き。

それから、同社が言うところのウォーターダクト付きハイドロカップ。
コイツにもブッタマゲです。執着。。
妥協ということが一切ない。

通常、ルアーでも何でも、その金型って、基本、鯛焼きなんです。
上下とか、左右とかから、パカッて分かれて、中から冷めて固まったプラスチックの部品が出てくる。
だから、形状的にアンダーカット(オーバーハングしてしまう形状)は許されない。
既に内部で出来上がっている部品自体に邪魔をされて、型同士が離れなくなってしまうんです。
当然、部品は取り出せない。

で、ポップXはというと、
水を受けるカップ。正面側から、穴を開けてしまえば、アンダーカットです。
それも、ダクトとして側面側にまで抜けている。

“ウォーターダクト付きハイドロカップ“ 。。

実はゼッタイムリというワケではない。特殊な金型構造でクリアできる。
別パーツを1つ設定する。という手もある。
でも、金型製作費もカサムし、あまりに複雑な構造は型持ち(金型の耐久性)も悪い。
(最近、ドッグXの金型が壊れた。って聞いたけれど、コッチは大丈夫でしょうか?)
とにかく、たかがルアーに、アンダーカットなんて有り得ない。

有り得なかった。。それまでは。

たかがルアーだなんて、そんな表現だって許さない。そういうルアーをメガバスは造ったんです。

だから、僕的には、“プライドを感じるトップウォータープラグ“ です。大好き。

1997年、メガバスは静岡県知事認定企業となり、ポップXとリバイアサンは、バスタックルとしては初めての通産省選定グッドデザイン商品に選ばれました。

“Good job ! なプラグ” です。

(ア)

 

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