キャロライナリグ [大場未知のリグ講座 vol.2 ]

バス釣りのキャロライナリグ

キャロライナリグ

 

正式にはサウスキャロライナリグ

コロラドブレード、アラバマリグ、テネシーグリップ、テキサスリグ、アーカンソーシャイナー、フロリダリグ、オクラホマブレード……etc.
バス釣りの本場アメリカ発祥のリグやプラダクツには地名がつくものが多いですよね。
バスフィッシングに限らず、アメリカ人って地元愛が半端ないんです(笑)。

連載2回目もアメリカの州名がつくリグ、サウスキャロライナリグ。
最近のバス釣りではキャロとかヘビキャロなんて呼び方をされるけど、正式にはサウスキャロライナリグといいます。

 

キャロライナリグの本質とは

キャロライナリグの特徴はあらゆるレンジで横方向の釣りに対応すること。
つまり、ワームでディープもサーチできてしまう唯一無二の仕掛けなのです。
3回も結ぶ箇所があるのでちょっとばかり面倒ではあるのですが、その実力は本場アメリカのトーナメントで、しばしばウィニングルアー(リグ)になるほどなのです。

リギングは人それぞれですが、基本的にはメインラインよりもリーダーを細くして使います。
例えばロックエリアで使う場合はメインラインを16ポンドにしてリーダーを14ポンドにすることで、万が一根掛かりしてもシンカーをロストしなくて済みますからね。
ラインはいずれもフロロカーボンでいいでしょう。

ではリーダーの長さはというと、これは用途によって調整します。
リーダーを長くするほどワームがノーシンカー状態になるので、フワフワとただよわせたい状況なら長めにします。
ただし、リーダーを長くするほどキャストがしづらくなるので、せいぜい長くても1.2mくらいが限界でしょう。

シンカーの10cmほど先にウキ留めゴムを装着(写真上参照)するとキャスト時にシンカーが暴れなくなるので、ロングリーダーキャロでも投げやすくなりますよ。
とはいえ、キャスト時は自分や周囲の人を引っ掛けないように注意しましょうね。

シンカーの重さは1/2オンス程度を基本に考え、水深だけで考えるなら、5mよりも深いところを狙うならより重くすればいいでしょう。

シンカーウェイトを選ぶ基準でレンジよりも大事なのがスピードです。
キャロライナリグはロッドを上下に上げたり下げたりして誘います。
シンカーはダイレクトにロッドによるアクションに反応し、ワームはそれを追従するように動きます。
つまり、シンカーが重いほどワームのスピードが速くなるため、リアクション効果を狙えるのです。

そんな効果もあるので、水深2~3mでも3/4オンスのシンカーを使ったほうが釣れるなんてことも珍しくないのです。
とくに、ベイトフィッシュを捕食しているようなフラットで、スピナーベイトやバイブレーションに反応しないときによく釣れたりします。
また、ハードベイトが引きにくいウィードエリアや起伏の激しいエリアでも、キャロライナリグは根掛かりにくいので扱いやすいですよ。

ワームの選び方は、好きなもので構いません!というくらい制約がないリグといえます。
例えばテナガエビを捕食しているようなエリアならスティックベイトや細身のホッグ系を選べばいいでしょう。
定番はパワーホッグやヤマセンコー、アメリカではキャロといえばリザード!というほどイモリ型のワームが使われています。

フンワリしたフォールに反応がいいときは水平姿勢のホッグやリザード、リアクションに反応がいいときはヤマセンコーやスティックベイトみたいにトリッキーな動きをするワームを選ぶといいでしょう。

リザードでキャロライナリグ

▲ キャロといえばリザード、リザードといえばズーム!左右非対称形状のリザードは、ストレートな日本人のバス釣りにはなかなか受け入れられないけど、スローに引いてもここまで細かくパーツが動くワームは類まれ。
ノーシンカー状態のシルエットと、ロッドをスイーッと動かしたときに手足がピロピロ震える静と動のメリハリがバスを魅了するのだ。琵琶湖のような広大なフラットではとくに効果的だぞ。

 

キャロライナリグのタックルとバリエーション

タックルは投げやすさを考えるなら7フィート以上で、操作性とフッキングパワーを兼ね備えたロッドが理想です。
最近はキャロ専用ロッドというのを見かけなくなりましたが、イメージ的にはフリッピングロッドより、もうワンランクパワーダウンさせたロッドがいいでしょう。

以上はベイト一般的なキャロライナリグですが、スピニングタックルを使ったフィネスキャロもあります。
フィネスキャロの狙いはリアクションです。こちらはジグヘッドのトゥイッチングに、瞬間的なノーシンカーの動きを取り入れたような使い方をします。
エビが何かに驚いた瞬間にピピピッと後方に跳ね、一瞬だけ止まってフォールする、そんなイメージといったらわかりやすいですかね。

フィネスキャロではメインラインを4~5ポンド、リーダーに3~4ポンド、シンカーは1/8~1/4オンス程度を使います。

このリグのキモはズバリ、リーダーを短めにしてアクションレスポンスを上げることです。
具体的には25cm前後を基準に、長くても40cmくらいまでに抑えます。
必然的にワームもトゥイッチで上下左右に飛ぶようなものになります。

リーダーが短いのでロッドは特別に長い必要はありません。
おすすめは、細かいトゥイッチに向いたミノーやシャッドに使われるファストテーパーの6フィート6インチ前後のロッドです。

ノシンカーやネコリグに反応しないバスにもスイッチを入れられるメソッドなので、ハイプレッシャーレイクの見えバスがいとも簡単に食ってしまうこともあるので、ぜひ一度はお試しください。

 

大場未知

PHOTO & TEXT

Michi Ooba
大場未知

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トッパー君の独り言

第2回、キャロライナリグ。 大場未知さんのリグ講座、快調な滑り出しです。
で、前回同様、冒頭の写真では、大場さんご自身にリグっていただいています。

写真上は、シンカー3/4オンス、フック#3/0、ワームはミニリザード(ズーム)で4インチ。
写真下は、シンカー1/8オンス、フック#1、ワームは3インチ。

キャロライナリグでは、リーダー、つまり、スイベルからフックまでの連結に使用するラインをメインラインより細く(弱く)すれば、シンカーのロストを減らすことができる。ここのところは、確かにナイスですね~。

最近のシンカーには、タングステンが使用されているから、小粒でも重量が得られてGood!なんだけど、従来の鉛製シンカーと比べてしまえば、かなり高価だから、ロストは泣けます。
鉛製だって環境負荷を考えれば、よろしくないハズ。

自分はワンランク細いリーダーの持ち合わせがない場合、同じ太さのラインでも、ラインの結びかたを変えたりして対処することもあります。

スイベルへは、フックアイへの結束よりも更に高い結束強度が得られる、パロマーノットなどを使用します。
というか、フックへの結束では少し強度を落とす。と、いったほうが良いでしょうか。
で、デカバスにココから切られたらどうしよう。。などと、無用な心配にビクビクすることとなります。。

ところで、写真、下のリグではスイベルとシンカーの間にビーズ玉が挟まってました。
タングステンシンカーは鉛のものより硬いから、ノットの保護にも一役買っているようですが、もともとは、ビーズ玉にシンカーをぶつけた時のカチカチという音でアピールさせようという発想みたい。

タングステンシンカーなら、柔らかい鉛がぶつかった時よりも更にカン高い音が響いているカモ知れませんね。
オッ、逆に鉛のほうがアピールできる場合だって、きっとアル!?なとと、考えてしまうこともありますが、正直、” 高価 ” なシンカーならわかるけど、ビーズ玉の ” 効果 ” は、良くわかりません。。(汗)

text by トッパー

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