晩秋の多摩川で鯰デイゲーム。秋雨の中、同行者Aのファイト。

鯰の作法

晩秋。未明から降る雨に戸惑いながら、僕達は多摩川へ車を走らせていた。その日はデイゲームをするので雨は好条件なのだが、天気予報アプリで雨雲の進路を確認すると、時折豪雨になるおそれがあった。

「大丈夫かな?」僕はワイパーを一段早くしてハンドルを握りながらそう言うと「まあ、釣りにならない降りになったらファミレスとかで釣り談義でもしましょうか。」さほど釣果を期待していないのか、助手席の彼はあっさりと言った。単独釣行がメインの僕には珍しく、この日は同行者がいた。

多摩川のポイントへ

多摩川に着いた頃、雨足は徐々に強くなっていた。この日は僕がガイド役なのでポイントや釣り方を彼に説明した。今日のテーマは「ビッグベイトをボトムでドリフトさせて釣る」であり、それは僕が多摩川デイゲームに最適な釣り方ではないかと考えている釣り方だ。彼は板オモリを貼ったスーパーシャッドラップをキャストしながら先を進んだ。彼「同行者A」は、元々この「鯰の作法」の読者であり、ツイッターを介して知り合った。夏には炎天下の釣れない利根川探索にも同行してくる物好きで、その時のスタイル(下の写真)を見ればわかるように「ハードコア」な男である。釣りやアウトドアはもちろんのこと、様々なジャンルに詳しいので質問すれば大抵は答えてくれるありがたい存在である。今後も鯰の作法で僕に変わって登場すると思われるのでお伝えしておく。

夏のA氏。夏の正しい陸っぱりスタイル。

 

ビックベイトでのボトムノック

僕の方は板オモリを貼ってシンキングチューンしたトビスケを川の流心辺りのボトムにドリフトさせてバイトを誘っていた。

トビスケ(プラスワンルアー)

あえて川の流心を狙っているのは、昼間に捕食を行う個体がいるからだ。多摩川の場合、昼間テトラ等のカバーにいる個体の多くは眠っているので攻めても反応がほぼないし、ルアーを魚の近くにコンタクトさせるのも難しい。そのため、絶対数は少ないが住処(寝床)を離れて捕食モードに入っている個体を探して狙う事が必須なのである。

多摩川の場合、昼間に捕食を行う個体はやや深みのある流心や淵等で、川底にゴロゴロした石等があるポイントにいることが多い。

トビスケのリップが川底の石をコツコツとあたるのをロッドに感じながら、ナチュラルにドリフトさせていた時、
「キタ!!」
その声の方に目をやると彼がエルホリゾンテ70をしならせていた。

「ナマズ!?スモール!?コイ!?」僕はロッドをカメラに持ち替えながら彼に聞いた。
「ナマズです!ボトム当ててストップさせた時食いました!」
「釣り開始早々に釣ってくれるとは、この男持ってる!」そう思いながら彼の勇姿を写真に収めて見守った。ゲストが幸先よく釣ってくれるとはガイド役としては嬉しい限りである。

彼は足下までナマズを寄せたが、ボガグリップでホールドするのに手こずった。やや強めの雨と寒さに体の自由を奪われているのだろうか。その後、なんとかキャッチしたのは多摩川のアベレージサイズで55㎝くらいだろうか。初のデイナマを釣って喜ぶ彼にカメラを向けると満面の笑みでポーズをとった。

次の1本を獲ろうとポイントを変えるが、雨足は強まり釣りをするのが難しくなっていた。今朝、車の中で彼が言っていたように僕達はファミレスへ移動した。体脂肪率の低い彼はすっかり冷え切っているようで、食事を注文するとランチセットのスープバーへ急いだ。

この日は、僕に1バイト(トップ)、彼が1チェイス(スプーン)、1フィッシュ(スーパーシャッドラップ)という結果で、雨による影響(ローライト、濁り)が魚の活性を高めたようであった。

もう少し釣りを続けることができたならば、きっとあと数本は追加できたはずだ。季節は進んで魚の活性は低下していくばかりであるが、今後も多摩川デイゲームを続けていきたい。

この記事の著者

水面屋(みなもや)

水面屋(みなもや)鯰釣り師

首都圏在住。小学校低学年からバス釣りを始める。高校入学と同時にロッドをギターに持ち変え、釣りから暫く離れる。男三十路にして鯰くんに男惚れ。現在はツララでビッグベイトを振り回し、メーターマナマズとロクマルバスを追う日々。

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