激流の瀬、その流心にもナマズはいるのか?瀬撃ちメソッドの衝撃[鯰釣りの作法vol.20]

秋のナマズを追う

昼過ぎに神奈川県の相模川へ到着した。新たなフィールドの新規開拓だ。幸運にも河川管理者による水辺の草刈りが行われた様子で、うっとうしい藪漕ぎをしないで済むと安堵した。しかし、水辺の一様でない姿に逐一目を奪われていると、いつの間にか草刈りのされていない道なき道を藪漕いでいた。気づけばシャツやパンツにセンダングサの種子がびっしりと付いていた。「ひっつき虫」と呼ばれるトゲトゲしたあれだ。また、空の薄暗さから時間も相当に経ってしまったと思いスマーフォンで確認するがまだ16時であり、17時には真っ暗となった。車に戻って服に付いたチクチクを払いながら秋の訪れを実感した。namazu15101

この時期、フィールドにもよるがバスやシーバスアングラーであれば「落ち鮎」を意識した釣りを展開するのではないだろうか。産卵場である下流の瀬を目指して多くの鮎が川を下り、また、産卵後は弱って無防備に流される。落ち鮎はプレデターにとって都合の良い格好のエサとなるわけだ。

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もちろんプレデターの中にはナマズも含まれる。この落ち鮎を意識したナマズ釣りを実践した結果、ナマズ釣りの常識を覆す発見をした多摩川の鯰師(ズシ)がいる。ナマズ釣りブログ「多摩の猫バス」の管理人Craftage氏である。筆者が知る限り多摩川のナマズ釣りに関して彼の右に出る者はいないと言えるのではないだろうか。今回はCraftage氏にご教示いただいた衝撃的な内容を紹介したい。

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瀬にもいろいろある

 

Craftage氏の瀬撃ちメソッド

Craftage氏によると、この数年でナマズが瀬周りだけでなく、なんと「瀬の中」にまで着くことを知ったという。通常、ナマズ釣りでは早い流れや流心は狙わない。シャローで緩い流れを狙うのが鉄則だからだ。しかし、Craftage氏は鮎の産卵を意識して瀬の中を狙ったところ爆釣してしまったのだ。瀬の中でのバイトとは全く想像がつかない。そしてさらに驚くべきは、厳冬期を除く通年でナマズは瀬に着いているというのだ。当初は鮎の産卵に絡めて瀬を撃ったCraftage氏であるが、鮎の産卵期以外でも瀬に着くナマズを釣り上げており「瀬撃ちメソッド」なる独自の釣法を編み出したという。

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最も好きな瀬尻にできる反転流。しかし、瀬の中にまでいるとは…。

 

Craftage氏曰く「ナマズは驚くほど速い流速の瀬の中でも定位出来るようです。そして上流から流れ落ちてくる物を察知できる能力も凄いです。相当なスピードで流れ落ちてくるルアーがナマズの頭上に来たほんの一瞬でバイトしてしまうのはまさに「稲妻バイト」と言えます。なので瀬尻や瀬脇といった流れが緩くなったスポットでなくても、ガンガン流れる瀬のど真ん中でもナマズは着ています。」とのこと。

 筆者のナマズ釣りの常識が音を立てて崩れていく。凄すぎる。ナマズがそんな場所にも着いていたとは。そして釣り方も気になる。「瀬撃ちメソッド」とは一体どのような釣法なのか。それについては次のようなものだ。

 「瀬付きのナマズは流下してくるモノに強く反応しますので、ルアーは上流から落としてくるナチュラルドリフトが基本です。早い瀬の流れの中でアップストリームでルアーをアクションさせる事は不可能ですし、アクションさせる必要はありません。

重要なのはルアーを流すライン、瀬筋です。瀬ナマズが定位しているスポットを詳細に説明するのは難しいですが、ナマズは瀬の中では追い喰いはできないのでルアーがその真上を流れないと意味がありません。しかし、ナマズの頭上にルアーが上手く入れば一発で稲妻バイトで喰ってきます。

使用するルアーは、アクションをさせないわけですからどんなルアーでもOKです。アピールの強いジタバグのヒットが多いと思います。また、瀬を流し落とすのにルアーは浮力が高い物が絶対的に有利です。自分は発砲ウレタン素材のルアーを使用しています。」

いかがでしたでしょうか。筆者としては目が眩む内容であった。多摩川の全てを経験したと思っていたし、それが基本や常識であると信じて疑わなかったからだ。多摩川には未だ見たことのない一面があるということを思い知らされた。

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Craftage氏のブログはこちら → 多摩の猫バス  http://blog.livedoor.jp/craftage/

今回の内容に関する記事は「釣行記録178」「釣行記録261」を参照のこと。

 

この記事の著者

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水面屋(みなもや)鯰釣り師

首都圏在住。小学校低学年からバス釣りを始める。高校入学と同時にロッドをギターに持ち変え、釣りから暫く離れる。男三十路にして鯰くんに男惚れ。現在はツララでビッグベイトを振り回し、メーターマナマズとロクマルバスを追う日々。

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