ただ巻きS字系ルアーの元祖「サルモスライダー」でナマズ釣り[鯰釣りの作法vol.22]

鯰の作法

 一雨毎に季節は進み、夜の川面には湯気が立つ。風に吹かれると、きゅっと身を縮ませてネックウォーマーを鼻まで覆う。見上げれば星の一つ一つが明瞭で、空も初冬を迎えたようだ。

もうずっと普通のナマズ釣りから離れていて、ビッグベイトや大型ルアーで巨ナマズを狙うスタイルを続けている。ルアーのサイズに比例して大きなフックを付けていることから、小さなナマズはバイトがあっても乗らない。上がってくるのはグッドサイズが多い。

当然、釣果として数は少ないが非常に充実した釣りができる。自分の大好きなルアーで狙い通りに魚を釣り上げると、楽しいという気持ちを通り越して幸福感に満たされる。そういう釣りをしていると、ノーフィッシュに終わった日でも、やりきった感が大きく不完全燃焼のないスッキリとした気持ちでフィールドを後にすることができる。

これが終始テーマのない釣りをしてしまうと、ノーフィッシュを後悔したり釣れない時間を退屈と感じてしまう。釣りを終えた時の気持ちを思い出して、マイナスな気持ちばかりであれば自分の釣りのスタイルを見直す必要があるのではないだろうか。

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スライドスイマーでがっつり

 

ビッグベイトや大型ルアー好きな僕の中で、ヨーロッパ生まれの変わりダネがある。「サルモスライダー」をご存じだろうか。ポーランドのサルモ社が作るグライド系ルアーである。元祖S字系ルアーとして知る人ぞ知るルアーだ。

このサルモスライダーは主にヨーロッパでパイクを釣るルアーとして用いられている。その形状やカラーはとてもユニークであり、幼児に与える玩具のようだ。アクションはゆっくりただ巻きでグライドし、ロッドワークやリーリングでドッグウォークをさせることも可能だ。

シンキングタイプは垂直にフォールする際にボディを小刻みに震わす。日本やアメリカのルアーに慣れているアングラーにとっては奇怪と思うかもしれない。リップやジョイントがないため空気抵抗が少なく、バイブレーションルアーのように遠投することが容易だ。サイズはスピニングタックルでキャストできる小さなものから2ozオーバーのビッグサイズまで幅広いラインナップである。

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サルモスライダー

 

このサルモスライダーを使った多摩川のデイゲームが今とても面白い。水中を滑る様にグライドするこのルアーにナマズがバイトしてくるスリルは、トップウォーターでのナマズ釣りとは一味違った面白さがある。リールをパーミングした手に「グラン、グラン」というS字軌道を描く振動が伝わり、突如「ドンッゴッ!!」と、油断していればロッドを引ったくられて落としてしまう強烈なバイト。そしてヘッドシェイクの衝撃。トップウォーターでの表層バイトと違い、水中から始まるバイトとファイトは魚体に水流と水圧が加わることからそのやり取りはパワーゲームそのもの。上がってくる個体は70㎝前後の肉厚な猛者ばかりだ。

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サルモスライダー12㎝に喰らいついてきた70㎝アップ

 

釣り方は下流に投げて巻くだけだが、多摩川中流域の特徴を捉えてからデイゲームに臨む必要がある。多摩川はシャローが多く透明度が高い。そして規模の大きい川だ。この川でデイゲームを成立させるには岸際のシャローを捨て、やや深みのある川の流心やその周辺を狙う必要がある。昼にナマズは水深のある場所やカバーで大人しくしている事が多いからだ。要はナイトゲームの真逆になるのである。

水深のある場所といえども具体的には1m前後の深さを中心に狙う。水流の速さは、ゆったりとしていて瀬や急流の場所はNGだ。川底の状態はゴロタ石やテトラ等のストラクチャーに富んでいる場所が好ましい。凹凸のない砂地や泥、砂利が広がっている場所はナマズが身を寄せる物がないため避けておこう。

条件の揃っているポイントを見つけたら、下流の流心に向かってサルモスライダーをキャストし、ゆっくりとアップストリームでグライドさせるだけだ。サルモスライダー特有のS字軌道の振動を感じていると強烈なバイトの衝撃がアングラーの心臓に突き刺さるはずだ。

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川底は最低でもこれくらいのゴロゴロ感が欲しい

 

サルモスライダーはどこの釣具店でも売っているルアーではなく、ごく限られたショップでのみ取り扱いがある。お勧めは、自身でもモンゴル等でサルモスライダーを使いパイクを釣り上げている水口謙二氏が展開する「冒険用品の店」だ。サルモスライダーに関するノウハウを持ち合わせている水口氏がサイズやカラーをセレクトしていることからその信頼度は高い。冒険用品の店オンラインストアまたはリアル店舗のショールームで購入できる。

◆冒険用品の店 http://jetslow4wear.com/

サルモスライダー 

サルモスライダーのデイゲーム。ぜひ体験していただきたい。

この記事の著者

水面屋(みなもや)

水面屋(みなもや)鯰釣り師

首都圏在住。小学校低学年からバス釣りを始める。高校入学と同時にロッドをギターに持ち変え、釣りから暫く離れる。男三十路にして鯰くんに男惚れ。現在はツララでビッグベイトを振り回し、メーターマナマズとロクマルバスを追う日々。

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