魚類剥製の作り方

魚類剥製の作り方
   ▲ 塗装後、エアブラシでウレタンクリアーを吹く宮沢さん

 

2011年3月。東日本大震災。。
その頃、福島県に住んでいた僕は、大好きな釣りにもなかなか行く気にはなれず、この年の初釣行となったのが、5月7日。
写真は、この日、中禅寺湖、松ヶ崎でヒットしたレイクトラウトです。
剥製にしよう。すぐさま、そんな気持ちが固まりました。色々な思いが重なり合っていた。。
そして、中禅寺湖の魚類の持ち出しが禁止になるなんて、この時はまだ、想像すらしていなかった。。

さて、少々、重い滑り出しとなってしまいましたが、明るく行きたいと思います!
僕が、剥製を依頼したのは、栃木県佐野市の、魚類甲殻類剥製・はくせい工房さん。
「最低でも2年以上は待って頂くことになると思います。いいですか?」そう聞かれて、ちょっとビックリ。
でも、「宜しくお願いします!」と、僕。
待つだけの価値がある剥製が仕上がって来ることを確信していました。

で、待つこと4年。。?! ようやく完成。
再び魂の込められたレイクトラウトと、久しぶりのご対面であります。遅!

遅! 普通、そう言われてしまいますよね。ヤッパ。
でも、思ったとおり、とてもスバラシイ。感動的な仕上がり。
はくせい工房の宮沢さん、ものすごく仕事が丁寧 かつ、慎重。
拘りのカタマリの様な方であります。職人気質というよりは、芸術家?

「ルアーライフで、剥製の作り方を紹介させてください!」
「 “お客をスゲ~待たせるけど、イイ仕事をする剥製屋さん”って、宣伝にもなるし!」
実は、この様にお願いしてました。(コレ、ホントに宣伝になるのカナ?)

 

中禅寺湖のレイクトラウト

 

剥製にしたい! 魚を釣ったら、まず、やるべきコト。
いかに美しい姿のまま、剥製屋さんに届けるか?が、ポイント。

ウロコが取れたり、ヒレが切れたり、魚体が変色してしまう等のリスクを極力排除し、美しい姿のまま、剥製屋さんに届けるのが、美しい剥製を作っていただくポイントです。
どこの剥製屋さんに依頼するのか、ある程度決まっていれば、発注までがスムーズに進行します。

 

魚体の変色や腐敗は最悪

できる限りすみやかに、これから述べる魚体の保護処置に入りたいところです。
が、もし、釣りを続行したいとか、とにかく処置までに時間がかかってしまう場合には、魚体を変色させないために是非おさえておきたいポイントが2つ。

・魚体を空気にふれさせない
・魚体を乾燥させない

です。

当然ながら、可能な限り、ギリギリまでは魚は生かしておきたいですが、死んでしまった場合でも、水温15℃以下であれば、水に浸かっていれば大丈夫です。
写真も撮っておいてください。剥製を仕上げる時のカラーサンプルになります。

さて、リリースしないと決めたら、ここで釣り人の宿命。命を奪わなければならない時がやってくる。
エラブタを開けると、中に真っ赤なエラが4、5枚見えると思います。
この内の2枚のエラを、真ん中あたりからハサミで切断する。と、5分くらいで南無です。
出血がありますので、水中でおこなうのが良いでしょう。

次に、良く濡らしたタオルで魚体をくるみ、ビニール袋にいれて持ち帰る。
魚体に血が付いていても問題はありません。
剥製にしたい面を下向きにしておくと、空気に触れず、乾きにくい状態をキープしやすいです。

直接ビニール袋に入れるのは最悪。
魚体が変色してしまうと、色ムラを隠す必要が生じ、剥製の塗装膜は必然的に厚ぼったいモノとなる。
結果、生命感のない、まさに作り物の様な仕上がりとなってしまいます。

それから、保冷にも気を配りましょう。もし腐敗してしまった場合には、制作は断念するしかなくなってしまいます。

中禅寺湖のレイクトラウト
▲ 宝石の様な魚体。美しく生命感あふれる剥製にしたいもの。

 

ヒレと魚体の保護処置

胸ビレ、尾ビレ等、全てのヒレは、個々に、濡れたティッシュや新聞紙等でくるみ、ていねいに保護します。
魚体のヌメリをとる必要はありません。

魚体の保護処置

ここではじめて、よく濡らしたタオル、新聞紙等で、なるべく魚体に密着する様、ピッタリとくるみます。その後、ビニール袋に入れる。

梱包と冷凍

梱包は、輸送中の魚体保護が目的。魚が曲がったり、潰されたり、冷凍後の衝撃で、ヒレが折れたり欠けたりしないための配慮が必要となります。特に尾ヒレは要注意!
ダンボール箱などに入れて、中で暴れない様、丸めた新聞紙等をスキマに詰めて衝撃から守ります。

それから、冷凍後の魚を入れるなら別なのですが、生魚に発泡スチロールは向きません。逆に保温されてしまう。。
最後に冷凍ですが、クロネコさんなどの冷凍宅配サービスをおこなっている営業所への直行がおススメ。

 

魚類剥製の作り方 <プロの仕事の一部始終>

それでは、実際の作り方を見ていきましょう。

 

魚類剥製の作り方
発砲ウレタンのボディー材をカッターナイフで削り出す。
くたくたになった魚をそのまま再現してはいけない。削り出した形しだいで、魚に命が宿るか否かが決まる。腕のみせどころ。
大体の形が決まったら、この作業は小休止。解凍された魚が痛んでしまう前に先にやってしまいたいことがある。

 

魚類剥製の作り方
魚体はダンボールカッターを使用して、皮だけにしていく。レイク独特の黄色い身。
背ビレの付け根の骨は、残しすぎると油がたまるし、取りすぎると、左右貼り合せ構造になっている背ビレが離れ離れになってしまう。

 

魚類剥製の作り方(左)あらかたの肉をそぎ落とした状態。まだ、色素の含まれる薄い膜は取れていない。
頭の後ろあたりには色素が多く、黒々している。実際には魚体全体にブツブツとあり、この膜をこそぎ落とすのが非常に大変な作業。残っていると、乾燥させた後、色ムラの様に表面側から透けて見えてしまう。

(右)色素の膜を取り除いた状態。
この後、魚種にもよるが、レイクトラウトの様な油の多い魚の場合、更にひと手間かけて、皮に残る油分を除去することで、仕上がりの美しさが際立つ様になる。
魚皮は、薬剤の中に漬け込んで保管しておくが、2、3日であれば氷水などでも代用がきく。

 

魚類剥製の作り方
作業用の支持棒として、角材2本(ここでは8mm角)をボディーに取り付け、レンガの台に固定。

 

魚類剥製の作り方
(左)薬剤の中に保存していた、魚皮を水洗いしてから、ボディーに合わせてみる。

(右)背ビレ、腹ビレの根元位置を基準として合わせてみたときに、ボディー材の厚みや各所の長さが適切となるかどうかをチェック、調整する。

 

魚類剥製の作り方
ペーパーやすり等で、ボディー寸法を微調整し、表面を整える。
肉盛りには、石粉の粘土を使用する。この他、背中まわりの筋肉の盛り上がりや、腹ビレ根元の骨の動きによって生じる盛り上がりなども粘土を盛って表現し、躍動感を与える。
最終的な形状が決まったら、再度、ペーパーやすりで表面を仕上げる。
この時、口周りの形状は、大まかで良い。

 

魚類剥製の作り方
アクリル系下地塗料などで、表面処理を行なう。
ハケ塗りと乾燥を10回程度繰り返し、ペーパーやすりで表面を仕上げる。
ちなみに、尻ビレ付近に設けられた段差は、最終的な魚皮貼り付け時の誤差吸収のためのスペースとして確保するもの。別途、粘土で微調整する。

 

魚類剥製の作り方
薬剤より魚皮を取り出し、水洗いした後、完成したボディーに木工用ボンドをまんべんなく塗り、魚皮を貼り付ける作業に入る。魚皮自体が湿っているから、乾燥までには時間がある。丁寧にいきたいところ。

(左)背ビレ、腹ビレの根元位置を基準として魚皮を伸ばしながら合わせていき、位置が決定したら、後頭部周辺にピンを打ち固定する。

(右)魚皮の裏側、各ヒレの根元の骨の凸部がボディーに接触する位置では、貼り付け時に隙間が生じることのない様、前述の粘土で、台座部分を作成し、収まりが良くなる様にする。(写真は背ビレ)

 

魚類剥製の作り方
(左)貼り付けによって内部に生じた気泡を逃がす作業。
丁寧にしごきながら、気泡を肛門や、魚体裏側の皮の切れ目まで追いやっていき、密着させる。

(右)魚皮の貼り付けができたら、裏側でピンを打ち、ズレない様に固定。
(皮の上下がピタリと合わないのは、実際より、体高や、ボリュームを出しているから。似顔絵を本人より良く見せることに似ている。)

 

魚類剥製の作り方
(左)エラ蓋の裏の空間は、粘土で埋めた後、エラ裏に木工用ボンドを塗り貼り付ける。

(右)目や口からも丁寧に粘土を詰めていき、エラやアゴが動かない様、ピンで固定。

エラの内部はきちんと密閉できずに空間を残してしまうと、後工程のクリアー塗装後、塗料が乾燥する前にボッコリと気泡が浮き上がってくることもあるから注意する必要がある。
また、粘土は硬化が進むと、多少の肉ヤセ(体積の減少)が生じる。完全に硬化する前に、別途の作業で口から粘土を追加していく。

 

魚類剥製の作り方(左)頭の向きを調整する。好みの方向で合わせ、ピンで固定する。

(右)薄手のアクリル板等をヒレの裏側からあて、表側には金属メッシュを併用し、浮き上がらない様、クリップで挟み、固定する。(写真は尾ビレ)
実は、これまでの作業中、各部のヒレは常に乾燥しない様、適宜、霧吹きで水気を与えている。乾燥してしまうと、ヒレを大きく開いてやることができなくなってしまう。

 

魚類剥製の作り方(左)他のヒレも同様に処理し、好みの向きを決めたらピンで固定する。
アブラビレだけは金属メッシュの跡が付きやすいため、表面側よりアクリル板を当て、裏面側はボール紙等(湿気を逃す様な材質)を用いて挟み込む。

(右)形が決まって、随分、ソレっぽくなって来た。

魚皮の油分が完全に抜けていることを前提とした場合は、魚皮よりも粘土の乾燥に一番の時間が必要となり、魚のサイズ等にもよるが、今回の場合、自然乾燥なら1週間くらいで硬化する。
但し、2~3日目以降くらいのタイミングで、エラの付近を上から指で押してみて、わずかに粘土の柔らかさが残って感じる位で、次の作業に取り掛かる。実は表面以外、粘土の内部は、まだまだ柔らかい状態。

 

魚類剥製の作り方(左)これから使用していく道具たち。

(右)工具を用いて、口から内部のボディー材を取り除いていく。エラの裏の粘土に到達するところまで掘り進んだら、エラ裏の粘土と一体となる様、口から更に粘土を追加していく。
不具合が生じていないかもチェックしながら、口内を仕上げ、粘土の完全硬化を待つ。

ところで、プロの作業では、特殊な薬品を使用するから、魚皮の油分除去は完璧だ。我々が真似ようと思ってもなかなか思う様にはいかず、実際のところ、粘土の乾燥後も、魚皮からは油がにじみ出てくるだろう。
消毒用アルコールで、この油を拭ってやり、3~4日後になって、また油がにじみ出てこなくなるまで、この作業を繰り返す必要がある。
下あごや、カマの部分、顔や頭、ヒレの根元などは油が多い。
イワナやヤマメ、あと、ブラックバスなどであれば、この処置で、ほぼ、油分除去ができると考えられるが、レイクトラウトなど、もともと油の多い魚の場合、例えば5年くらい経って、美しかった剥製の塗装膜に油の影響が出始めるなど、何らかのリスクを残す場合もある。

 

魚類剥製の作り方(左)エラと魚体が直接触れ合っている箇所や、エラとその裏側の粘土との間にスキマを発見した場合には、瞬間接着剤を流し込む。理由は前述の通り。

(右)ウロコが逆立つ様になっている箇所は結構あるもの。その他、エラの縁の粘膜の部分や、魚皮自体の反り返り、シワなども、アイロンを使用して整える。
アイロンは一番低温に設定する。高温だと、魚皮が縮れてしまうので注意。

 

魚類剥製の作り方
ヒレを補強する。
厚さ0.5mm程度のポリカーボネート板(アクリル板でも代用可)を各ヒレの形状より少し大きめにカットし、ヒレの裏面から接着、乾燥後、更に形を整える。切れ味の良いハサミで慎重に作業したい。

粘性の高い接着剤は、ラッカーうすめ液で希釈して、ヒレと補強板の両面にハケ塗りし、多少乾いた後に密着させる。(写真は背ビレ)

アブラビレには補強板は使用せず、透明なエポキシ接着剤でコーティングし、厚みを付けることで補強する。

また、胸ビレや腹ビレなどの付け根に強度の不足感がある場合には、内側に隙間が生じている可能性が高いので、ヒレの裏面側の根元の魚皮(見えにくい場所)に切れ込みを入れ、同様のエポキシ接着剤で埋めてやることで補強できる。その後、切れ込み部は滑らかに仕上げておく。

 

魚類剥製の作り方(左)ヒレは、裏側から高温のアイロンを近づけ補強板を加熱、指で適度に湾曲させて躍動感を出す。
経験と慣れが必要な作業で、曲がりすぎてしまわない様、慎重に行なう。

(右)ヒレのエッジで厚みのある部分は、透明なエポキシ接着剤を盛り、補強板とのスキマを埋める。
写真では、背ビレの前側を処理している。後ろ側も同様に処理する。

 

魚類剥製の作り方(左)エポキシを塗った部分は、そのままではリアルさが不足するので、少し乾いた状態のときに、爪楊枝の先で、縦横に細かくスジ目を入れる。良く観察して再現したい。

(右)頭部や口まわりは乾燥するとミイラ化し、シワや肉ヤセが発生するので、エポキシパテを盛って成型する。
エポキシは指先に水をつけて伸ばせるタイプのものが扱いやすいが、本来は直接触れるべきものではないので、作業後は良く手を洗い、かぶれ等のリスクを軽減したい。

 

魚類剥製の作り方(左)キズや擦れ等で魚皮表面側の色素が取れてしまった箇所を修復する。
ここでは、黒色アクリル塗料を墨汁くらいの濃度に薄め、点描画の要領で、色をのせている。
乾かしながら、数度に分けて徐々に仕上げていく。

(右)目玉。今回は少し後方、下の目線となる様に依頼している。

 

魚類剥製の作り方
エポキシパテによる造形、色素が抜けてしまった箇所のレタッチ、目玉の取り付けが、ほぼ終了した。

 

魚類剥製の作り方(左)型抜きされたシリコン製の舌は、塗装が可能なタイプ。剥製のサイズに合わせて選べる様、あらかじめ用意されていた。

(右)木工用ボンドで、口内の粘土との境目部分のスキマを抑えると同時に、舌の取り付けを終了させる。
作業においては、耳かきや細身のティースプーンなどを道具の代用として使用するのもいい。

 

魚類剥製の作り方
ノズル径φ0.18~0.3mmのエアブラシで、頭の黒と、腹側の白を吹く。
乾かしながら、数度に分けて重ねていく。塗料はアクリル絵の具を専用うすめ液で希釈して使用。

頭の黒は、エポキシパテを隠す程度の最小限の塗装に留める。
真っ黒にしてしまっては、この先、更に微妙な色合いをのせていくことはかなわない。

 

魚類剥製の作り方(左)顔や背中などにベースとなる色を吹く。今回のレイクトラウトでは茶色がベース。

(右)黄変している模様の上にアクリル絵の具の白色を入れる。
塗料は薄めに希釈して、白点一つひとつ、丁寧に筆作業していく。
いっぺんに色をのせず、徐々に行なっていくのがポイント。

 

魚類剥製の作り方(左)アゴや、背中の模様を仕上げ、再度、発色や風合いを整えるために、エアブラシで色を被せていく。
茶色を基本としつつも、微妙に濃淡や色合いを調整しながらの作業。

(右)ウロコ入れの作業。
シルバーとゴールドで調色した塗料で、ウロコ一枚ごとに筆で色を入れしていく。写真では、背中(頭の後ろ側)を作業中。
但し、銀化の魚種とは異なるので、光りすぎることのない様、要所、要所のウロコのみに留める。
細かな作業なので、魚体に手の油分や汗が付かない様にして、塗料の乗りを良くしてやる必要がある。
綿手袋を着用するといい。

 

魚類剥製の作り方
更に茶色、バイオレット(パール色)を吹き、黄土色や白色でヒレの模様を加筆、ゴールド、コパー、グリーン(パール色)、イエローなどを更に吹いて全体の雰囲気を出していく。
レイクトラウトであれば、ヒレにはオレンジと白を吹く。不透明塗料は、ヒレと補強材のポリカーボネート板との境目を隠してくれるので都合が良いが、同時に条(黒く見えるスジ目)を消してしまうので、加筆する。

 

魚類剥製の作り方
一通りの着色を終えた状態。
この後の工程で、クリアー塗装を施すと、パール色は粒子が潰れ発色が悪くなるので、再度、パール色を補い、現在の状態となるまでに再現する作業も発生してくる。
(この写真では、頭部周辺のバイオレットや、背中のコパー、側線周辺のグリーン、腹部のゴールド&コパーなど、パール色の発色が分かりやすい様、様々な角度からライティングして撮影している。)

 

魚類剥製の作り方(左)エアブラシで、一回目のウレタンクリアー塗装を施す。

(右)クリアー塗料がしっかりと硬化した後、#400~600のペーパーやすりで、埃や異物の除去と共に、全体の凹凸をならし、表面を滑らかにする。“ブツ“ などの極端な凸で、クリアー膜だけではなく、塗装まで削れてしまう部分は、再度、筆にてタッチアップし、色をのせる。

 

魚類剥製の作り方(左)再度、各種パール色を吹き、クリアー塗装前の発色になる様に調整する。

(右)乾燥後、二回目のクリアー塗装を施す。

 

魚類剥製の作り方(左)二度目のクリアー硬化後、更に埃などの異物を除去した場合には、除去箇所を#2000のペーパーやすりで磨き、更にコンパウンドを使用し表面をなじませたら、全ての塗装工程は終了。

(右)裏側、ボディー材の露出部はコーキングで段差をなくして密閉する。

 

魚類剥製の作り方
美しい剥製が仕上がった。

 

魚類剥製の作り方(左)作業用の支持棒を切り取る。

(右)いよいよ、剥製をマウントする。
ここでは厚さ20mmの板に15mm程度の深さの下穴を開け、エポキシ接着剤を併用し、全ネジボルト(M5)2本を打ち込んでいる。
奥側の胸ビレや腹ビレがマウントと干渉しない様、魚体は少し浮かせた位置で固定する必要があるし、魚体の厚みの1/2程度の深さまではボルトの先端を差し込んでいくので、必要となるボルトの長さは、自ずと決まってくる。

魚体は、裏面の上下魚皮の開いている部分(コーキングした部分)をボルトの先端に当て、更に適切な位置となるまで、慎重に押し込んでいくことで、取り付けのための穴が開く。
エポキシ接着剤を使用して、しっかりと固定する。

 

魚類剥製の作り方
完成だ。

 

いかがでしたか?ご参考になったでしょうか?
剥製の作り方は、その勘ドコロが、おそらく、魚種によって多少違ってくると思われますが、概ね、こんな感じです。
自分でチャレンジしてみよう!は、間違いなくおススメではあるけれど、変色やカビ、その他のリスクも考えられるから、大物であったり、何か特別な思い出となりうる魚は、やはりプロの剥製屋さんに依頼してみるのがいいです。

「忙しすぎてホームページの更新もままならない。」と嘆く、宮沢さん制作の魚類剥製。
美しく仕上がった剥製は、アートの如く。ウイスキーを飲みながら、つい、ニヤニヤしてしまったりします。
感動が蘇って来る。

 

中禅寺湖の魚達をとりまく現状

今回、僕のメモリアルフィッシュはレイクトラウト。
ご存知の通り、日本においては、日光・中禅寺湖だけに生息しています。
で、少し脱線しますが、中禅寺湖のお話し。

冒頭でも少々触れた通り、放射線量の関係で、震災の翌年より、釣りの解禁が見合わされたり、釣りが可能になってからもワカサギを除く魚類の持ち出しが禁止されたりしていたのですが、2014年9月9日から、剥製の制作用途に限定、『但し書き』付きで、魚類の持ち出しが可能となりました。
一歩前進。というところです。僕も非常に嬉しく感じています。

ところが、なぜか、アングラーとして剥製屋さんを選り好みできる状態にはなっていない。
指定業者が決まっている。
これが現状。ちょっとギクシャクした、おかしな感覚は否めない。
まだまだ、デリケートな状況が続いている。

今回、剥製の制作工程をご紹介するにあたり協力いただいた、「はくせい工房」さんも、新たに中禅寺湖の魚を手がけ始めるには至っていません。
だから、はくせい工房・宮沢さんの作品を眺めながら、ニヤニヤしたい皆さんは、とりあえず、他のエリアの魚を持ち込むしかありません。今のところは。
ここのところは非常に残念。剥製業者さんの全面解禁も祈りたい。

(even)

取材協力:
魚類甲殻類剥製・はくせい工房 http://www.hakusei.com/

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